親の終活、何から始めたらいい?
「そろそろ親の終活について考えなければ…」そんな思いを抱えながらも、具体的に何をすればいいのか分からず、戸惑っていませんか?仕事に子育てに、毎日があっという間に過ぎていく中で、親の将来について落ち着いて考える時間さえ見つけられない…。そんな状況、とてもよく分かります。
でも、ご安心ください。誰もが同じような不安や戸惑いを感じているのです。そして、そんなあなたの気持ちに寄り添い、専門的な立場からサポートしてくれる心強い味方がいます。それが、終活アドバイザーです。
この記事では、終活アドバイザーの特徴や役割、相談できることをご紹介します。
終活アドバイザーとは?役割と必要性

終活アドバイザーとは、人生の締めくくりに関する様々な課題について、専門的な知識とスキルを持って支援する専門家のこと。エンディングノートの作成から、葬儀の事前準備、相続対策、さらには介護施設の選定まで、終活に関する幅広い分野をサポート・カバーします。
その具体的な役割について、掘り下げてお話しましょう。
相談者に寄り添い、包括的にサポート
終活アドバイザーは、相談者一人ひとりの人生に合わせて、きめ細やかなアドバイスを提供します。医療や介護の希望、財産の管理、葬儀やお墓の準備など、終活に関する様々な不安や悩みに対して、専門的な知識を活かしながら最適な解決策を提案する役目があります。
葬儀・生前整理・介護の相談も◎
葬儀に関しては、一般葬、家族葬、樹木葬など、様々な選択肢の中から、本人の希望と予算に合った形式を選びます。事前に葬儀社と打ち合わせを行い、具体的な段取りや費用の見積もりも確認するのが一般的です。また、生前整理では、思い出の品々の整理方法や、遺品となるものの取り扱いについて、家族間で話し合いながら決めていきます。
介護については、在宅介護と施設介護のメリット・デメリットを比較しながら、本人の状態に合った選択をサポートします。介護保険サービスの利用方法や、住宅改修の必要性についても専門家と連携しながらアドバイスを提供します。
専門家との連携役
法律や税務など、専門的な判断が必要な場合には、弁護士や税理士などの適切な専門家を紹介します。相談者と各分野の専門家をつなぐコーディネーターとしての役割も担っているのです。
エンディングノートの作成支援
エンディングノートは終活の重要なツールとして位置づけられています。財産の希望、医療や介護についての意思、大切な人へのメッセージなど、様々な情報を整理し、記録していきます。そのサポートをするのが、終活アドバイザーの役割です。単なる書き方の指導だけでなく、親の想いを丁寧に聞き取りながら、より充実した内容になるようアドバイスを行います。
デジタル遺品への対応
近年増加しているデジタル遺品の管理も重要な課題です。メールアカウント、SNSアカウント、オンラインバンキング、電子マネー、暗号資産など、デジタル資産の種類は多岐にわたります。これらの資産を把握し、パスワードの管理や引き継ぎ方法を事前に決めておくことで、遺族の負担を軽減します。特に、写真や動画などの思い出のデータは、保存方法を工夫することで、大切な家族の記録として残すことができます。
情報収集や手続きのサポート
終活に関する情報は膨大で、何から始めればよいか分からないという方が少なくありません。終活アドバイザーは、必要な情報を整理し、優先順位をつけながら、効率的に準備を進めていきます。
終活アドバイザーが持っている資格と種類
終活カウンセラー
終活カウンセラーは、一般社団法人終活カウンセラー協会が認定する資格制度です。初級と上級の2段階に分かれており、初級終活カウンセラーは、自身の終活に関する基礎知識を習得し、エンディングノートを作成できるレベルを目指します。
一方、上級終活カウンセラーは、他者の終活をサポートできる知識とカウンセリングスキルの習得に重点を置いています。エンディングノートの指導方法や、相談者への適切なアドバイスができるよう、より専門的な知識を身につけることが求められます。
終活ライフケアプランナー
日本能力開発推進協会(JADP)が認定する終活ライフケアプランナーは、より実践的な終活支援のスキルを習得する資格です。終活全般のサポートと専門家への橋渡し、エンディングノートの作成支援、さらには医療・介護・終末期ケアに関する相談対応まで、幅広い知識とスキルが求められます。
シニアライフアドバイザー
財団法人シニアルネサンス財団が認定するシニアライフアドバイザーは、正式名称を「中高年齢者総合生活相談員」といいます。この資格は、高齢者の生活全般に関する相談対応能力の育成を目的としています。家族関係や生きがい、介護、福祉など幅広い分野での支援が可能となり、健康から家計まで、総合的な知識を習得できる資格です。
終活アドバイザーに依頼したときの費用相場
費用相場
終活アドバイザーのサービス費用は、地域や提供内容によって異なりますが、一般的な相場は以下となります。参考程度に留めておきましょう。
項目 | 費用 | 備考 |
初回相談 | 無料 | 多くのアドバイザーが60分程度の無料相談を実施 |
定期的な相談(時間制) | 5,000円~15,000円/時間 | |
定期的な相談(月額制) | 20,000円~30,000円/月 | 月2回の相談 |
パッケージプラン | 100,000円程度 | 3か月6回コースなど |
エンディングノート作成支援 | 20,000円~50,000円 | 基本プラン~充実プラン |
遺言書作成サポート | 30,000円~80,000円 | 公正証書遺言の場合は別途手数料が必要 |
生前整理サポート | 基本料金30,000円~ | 作業料金は1時間あたり5,000円程度 |
葬儀社紹介・見学同行 | 10,000円/社 | |
介護施設見学同行 | 15,000円/施設 | |
相続診断 | 30,000円~ | |
デジタル遺品整理プラン | 20,000円~ | |
家族信託相談 | 50,000円~ |
終活アドバイザーと他の専門家との違い

終活アドバイザーは終活自体を総合的にサポートしますが、法務や税務のスペシャリストではありません。今一度、終活アドバイザーと主要な専門家の違いをおさらいします。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、金融、不動産、税制、保険、年金制度など、お金に関する幅広い知識を持つ専門家です。老後の生活設計や資金計画を立てるだけでなく、相続・贈与の対策、保険の見直しなども行います。特に終活においては、将来の資産運用や相続対策について、専門的な見地からアドバイスを提供します。
弁護士
弁護士は、遺言書作成や遺言信託のサポート、相続に関する法的紛争の解決を担当します。また、判断能力が低下した場合に備えた任意後見契約の締結支援なども行います。
司法書士
司法書士は、遺言書作成や財産管理のサポート、相続登記手続き、不動産の名義変更などを主に担当します。特に不動産に関する法的手続きについては、豊富な知識と経験を持っています。
行政書士
相続関連書類の取得代行や遺産分割協議書の作成、エンディングノートの作成支援などを行います。官公署に提出する書類の作成や手続きを得意としています。
ケアマネージャー
ケアマネージャーは、介護保険サービスの要となる専門家です。利用者の状況を細かく把握し、適切な介護計画(ケアプラン)を作成します。また、介護サービスの調整や実施状況の観察、定期的な訪問によるモニタリングを通じて、高齢者の生活をトータルでサポートします。近年では、終活に関する知識も身につけ、お年寄りの人生の最期に向けた支援にも力を入れています。
終活アドバイザーの選び方
資格の有無、経験年数、対応エリア、相談方法(訪問、オンライン)、費用などを総合的に検討します。特に、親の状況や希望に合わせた柔軟な対応が可能かどうかが重要です。
リストで確認!信頼できる終活アドバイザーの特徴
ここでは、信頼性の高い終活アドバイザーの特徴や選ぶポイントをご紹介します。
専門資格の保有:終活カウンセラーやライフケアプランナーなどの資格を持ち、定期的に研修や勉強会に参加して知識をアップデートしています。
豊富な実績と経験:相談件数や解決事例が豊富で、様々なケースに対応できる経験を持っています。特に、相続や介護など、専門的な知識が必要な分野での実績が重要です。
コミュニケーション能力:親と家族の双方の立場を理解し、デリケートな話題も適切に扱えるコミュニケーション力があります。説明が分かりやすく、質問にも丁寧に答えてくれます。
料金体系の透明性:初回相談から具体的なサービスまで、料金体系が明確で、追加料金などの不透明な請求がありません。
アフターフォロー体制:契約後も必要に応じて相談できる体制が整っており、急な事態にも対応してくれます。
専門家ネットワーク:弁護士、司法書士、税理士など、必要な専門家と連携できるネットワークを持っています。
情報管理体制:個人情報の取り扱いが適切で、守秘義務を徹底しています。プライバシーポリシーが明確で、情報漏洩対策も万全です。
過度な押し付けや強引な勧誘を行う業者には注意が必要です。必ず複数の候補を比較検討し、慎重に選択することをお勧めします。
まとめ:親の終活を安心して進めるために
「親の終活」という言葉に、最初は誰もが戸惑いを感じるものです。でも、この記事を読んでくださったあなたは、もう一歩前に進むための準備ができています。終活アドバイザーは、その一歩を支える心強いパートナーとなってくれます。専門家の知識と経験を味方につけることで、親の想いを大切にしながら、家族みんなで安心して終活に向き合うことができるのです。
免責事項:
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言を行うものではありません。具体的な内容については、弁護士や税理士にご相談ください。
コメント