終活というと人生の最期に向けた準備というイメージをお持ちかもしれません。ですが実際は、50代からの取り組みが理想的。心身ともに元気な50代は、将来への備えを余裕を持って進められる絶好のタイミングなのです。
本記事では、50代から終活を始めるべき理由や、やることリスト、失敗しないためのポイントを徹底解説します。
なぜ50代が終活にぴったりなの?

50代は健康面での変化が現れ始める大切な時期。元気なうちに、医療や介護についてのご希望を整理して、万が一の時に備えておくことが大切です。ご家族にも自分の考えを伝えておくことで、将来への不安も和らぐでしょう。
また、50代になると親御さんの介護や終活に関わる機会が増えてきます。ご両親の終活をお手伝いする経験は、ご自身の終活を考えるよいきっかけになるはず。遺品整理や相続の手続きなど、実際の場面を経験することで、お子さまに同じような負担をかけないよう準備することができますよ。
さらに50代のうちから終活を始めることで、退職後の生活設計をゆっくり考えることができます。老後の資金計画を立て、やりたいことを実現する準備を進めましょう。早めに準備ができれば、将来への不安も減り、今の生活をもっと楽しめるはずです。
50代の終活でやるべきことリスト【5選】

ここでは、50代の終活でやっておくべきこと5選をご紹介します。
1. お金の整理と相続の準備
まずは、ご自身がお持ちの財産を全体的に見渡してみましょう。預貯金、不動産、株式などの金融資産に加え、借入金なども含めて確認していきます。特に不動産については、登記簿謄本を取り寄せて所有権や担保設定の有無を確認し、将来の相続に向けた準備を整えることが大切です。
相続対策では、遺言書を作成することがもっとも効果的。遺言書があることで財産の分配や遺産の管理がスムーズになり、ご家族間のトラブルを防ぐことができます。また、相続税の負担を減らすため、生前贈与などの方法も検討してみてください。
2. エンディングノートを書く
エンディングノートには、医療や介護に関するご希望、財産の詳細、保険の情報など、さまざまな情報を記録します。特に大切なのは、医療行為へのご希望や介護についてのお考えを明確に書いておくこと。デジタル資産の管理情報や、毎月の支払いが発生している固定費の一覧なども忘れずに書き留めておきましょうね。
エンディングノートの活用方法エンディングノートは、時々見直すことが大切です。ご家庭の環境やお金の状況の変化、制度や法律の改正などに応じて、内容を更新していく必要があります。ご家族との共有方法については、作成する段階からご家族と相談しながら進めることで、実りのある終活が実現できますよ。
3. お片付け(断捨離)
50代は心身ともにまだまだ元気な時期。つまり、断捨離を始めるのにぴったりです。この時期から始めることで、将来の引っ越しや相続の際の負担をぐっと減らすことができます。
断捨離は、お洋服や本など身近な物から始めるのがおすすめ。特に重要な書類については、必要なものと不要なものをはっきり分けて、整理・保管方法を決めておくことが大切です。思い出の品については、写真に撮ってデジタル保存するなど、工夫を凝らした整理方法を考えてみましょう。
4.医療・介護への備え
50代から、医療や介護に関する具体的な希望を整理しておくことが大切です。延命治療への考えや、介護が必要になった場合の希望など、元気なうちに家族と話し合っておきましょう。
また、介護保険や民間の医療保険の見直しもこの時期に検討します。将来の医療・介護費用を見据えた準備を進めることで、より安心な備えとなります。
5.生きがいづくりと社会参加
終活は決して人生の終わりの準備ではありません。むしろ、これからの人生をより豊かに過ごすための準備といえます。新たな趣味や学びへの挑戦、地域活動への参加など、充実した生活に向けた計画を立てましょう。
50代の終活で失敗しないためのポイント
終活を50代から始めることには多くの良いところがありますが、同時に気をつけたい点もあります。早い段階から終活を計画的に進め、将来の環境変化にも柔軟に対応できるようにしましょう。
また、各種制度の変更や生活環境の変化により、一度決めた終活の計画を見直すことがあるかもしれません。特に相続や税金に関する制度は、よく変わりますので、早すぎる準備は後で修正が必要になることも。詳しく見ていきましょう。
定期的に計画を見直す
長期的な計画を立てることで、将来の状況変化に対応できない可能性があります。たとえば、ご家族の構成が変わったり、お引越しをしたり、お金の状況が変わったりして、最初の計画を大きく見直す必要が出てくることもあります。このような変更に備えるために、時々見直しをする余裕を持った計画作りが大切ですね。
予想外の出費に注意
早くから終活に取り組むと、必要以上の準備や投資をしてしまうことも。相続対策や資産管理において、専門家への相談費用が何度も必要になったり、状況が変わって見直しが必要になったりすることで、思わぬ出費につながることがあります。
また、終活に夢中になりすぎて、今の生活に支障が出たり、心身に負担がかかったりする可能性もあるでしょう。バランスの取れた取り組みを心がけ、今の生活も大切にしながら、無理のない範囲で終活を進めていくことが大切です。
50代の独身の方が考えたい終活のポイント

独身の方の終活は、ご家族のサポートを得にくい特有の課題があります。50代という早い段階から準備を始めることで、将来への不安を解消し、充実した人生を送ることができますよ。具体的なポイントを見ていきましょう。
お亡くなりになった後のこと
独身の方がお亡くなりになった場合、お葬式や遺品整理などの手続きを行う身近なご親族がいないことが大きな課題となります。この問題を解決するために、50代のうちにお葬式屋さんと生前契約を結んでおくことがおすすめです。また、信頼できる方にお亡くなりになった後の手続きをお願いする場合は、エンディングノートに詳しい情報を記載し、時々更新してみましょう。
老後の生活設計
独身の方の老後生活では、病院への入院や介護施設への入所時に身元保証人が必要となります。この課題に対しては、身元保証サービスの利用を検討してみましょう。ご家族の代わりに医療や介護施設での手続きを引き受けてくれる、とても心強いサポートです。
また、お金の管理も大切な課題。認知症などで判断力が低下した場合に備え、50代のうちに資産を整理し、管理しやすい状態にしておくことが大切です。通帳や証券、権利書類などを分類・整理し、将来の資金計画を立てることで、安心した老後生活を送ることができます。
50代の方におすすめの「終活ノートサービス・アプリ」
50代からの終活をスムーズに進めるため、さまざまな便利なサービスが登場しています。特に、デジタル技術を活用した新しい形の終活支援ツールは、いつでもどこでも気軽に利用できる特徴がありますよ。おすすめのサービスやアプリをいくつかご紹介します。
【アナログ】わが家ノート

引用:MUFG
三菱UFJ銀行の「わが家ノート」は、家族の情報を一元管理し、将来への備えを確実にするサービスです。家族の生活や資産に関する情報を整理し、緊急時にも安心な環境を整えます。
これには家族構成や連絡先、保険や資産の情報、医療や介護に関する希望など、多岐にわたる情報を記録します。家族間での情報共有をスムーズにし、高齢者や介護が必要な家族がいる場合に特に役立ちます。また、遺言やエンディングノートとしての機能も。相続や遺産分割に関する希望を明確に記録することで、遺族間のトラブルを防ぎます。
紙媒体で提供されるため、デジタルツールに不慣れな方でも簡単に利用できます。記入項目が分かりやすく整理されており、初めての方でも迷わず情報を記録できます。
【デジタル】生前整理アプリ

引用:株式会社リードライフ
リードライフの「生前整理アプリ」は、人生の終わりを見据えた「終活」をサポートするために開発されたスマートフォン向けアプリケーションです。このアプリは、利用者が自身の情報を整理し、必要な情報を家族や関係者と共有することで、万が一の際に遺族が困らないようにすることを目的としています。
無料版では、日常生活に関連する基本情報を記録・管理することが可能です。たとえば、健康状態や服用している薬の情報、住所や連絡先、契約情報、思い出の写真や形見などを登録できます。これにより、家族が普段から情報を閲覧できるため、緊急時にも迅速に対応できる仕組みが整っています。
有料版では、さらに詳細な情報を管理する機能を追加。具体的には、銀行口座や証券情報、葬儀やお墓に関する希望、遺産分割の希望など、相続や財産管理に関する重要な情報を登録できます。また、利用者の死後にのみ開示される情報を設定することが可能で、誰にどの情報を開示するかを事前に細かく指定することができます。この機能により、遺族間のトラブルを防ぎ、スムーズな手続きを実現します。
まとめ:50代の終活は、万が一に備えた準備
終活は、資産の整理と相続準備、エンディングノートの作成、計画的な断捨離、医療・介護への備え、生きがいづくりの5つが重要です。環境の変化に応じた柔軟な見直しをおこないながら、より良い未来のための準備を始めましょう。また、最近はアナログの「わが家ノート」やデジタルの「生前整理アプリ」など、便利な終活支援サービスも活用できます。あると本当に助かるものばかりですので、必要に応じてお試しください。
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