終活とは何か?やることリスト10選

人生の終わりに向けて「自分らしい最期」を考える終活は、ご自身やご家族にとって安心につながる重要な取り組みです。心の準備をしておくと、「もしものとき」でも落ち着いて対応できるのが何よりですね。

この記事では、終活の大切な準備である「やることリスト10選」をご紹介します。以下10項目の内容をしっかりと確認して、元気なうちに何ができるのか、何をするべきなのか覚えておきましょう。

目次

終活のやることリスト10選

1. エンディングノートの作成

エンディングノートは、ご自身の人生の記録や希望をまとめておく専用のノートです。事務的な記録以上の意味を持ち、ご家族にとってかけがえのない遺品となります。

ご家族の負担を和らげ、ご自身らしい人生を全うするという2つの大切な役割があります。もしものときに、悲しみの中にあるご家族が必要な手続きをスムーズに進められるよう助けとなります。また、延命治療などの重要な判断が必要なときも、ご本人の意思を確実に反映できます。

エンディングノートには、基本的な個人情報や財産状況、医療・介護に関する希望、ご家族や大切な方へのメッセージなど、幅広い内容を記載しておくのが一般的です。

書きやすいところから少しずつ記入を始め、ゆっくりと時間をかけて作成することをおすすめします。また、内容は定期的に見直し、状況が変わったら更新していくとよいでしょう。保管場所はご家族としっかり共有し、必要なときにすぐ確認できるようにしておきましょう。

2. 財産の整理と相続対策

活における重要な柱の一つが、財産管理と相続の準備です。これらを適切に整えることで、遺された家族の負担を和らげ、相続を巡るトラブルを事前に防ぐことができるでしょう。

相続対策としてもっとも基本となるのが、財産の棚卸しと整理整頓です。預貯金や不動産といった資産の状況を明確にし、関連する書類を整理しておくことが大切。さらに、遺言書の作成や生前贈与の活用も、円滑な相続を実現するための効果的な方法となります。

また、現代の終活で特に意識したいのが、デジタル資産の管理です。オンラインバンキングやサブスクリプションサービスなど、デジタル上の財産や契約が増加している今日。これらの情報を丁寧に整理し、必要な手続きを家族に伝えておくことは、現代ならではの終活のポイントです。

3. 医療・介護の準備

人生の最期に関わる医療や介護の希望を明確にしておくことは、ご家族の心理的負担を和らげる重要な終活の一つ。私の経験上、この準備があるかないかで、残された家族の決断の重さは大きく変わってきます。

私がお会いした多くの方々は、延命治療の要否や最期の療養場所について、具体的な希望をお持ちでした。たとえば、人工呼吸器の使用是非や、心肺蘇生を望むかどうかといった重要な選択について、前もって意思表示をしておくことで、医療現場での判断がスムーズになるでしょう。

また、介護に関する準備も欠かせません。在宅介護を希望されるのか、それとも施設での介護を検討されるのか。介護保険の活用方法や予想される費用など、具体的な計画を立てることをおすすめしています。

4. 葬儀の準備と家族への伝え方

近年の葬儀スタイルは多様化しています。一般的な葬儀から、身内だけで執り行う家族葬、儀式を簡素化した直葬まで、選択肢は広がっています。形式を選ぶ際は、自分の意向を大切にしながらも、家族の気持ちにも寄り添うことが大切。また、予算面での現実的な検討も忘れずに行いましょう。

葬儀に関する希望を残す方法には、主に3つのアプローチがあります。まず、家族との対話を通じて直接伝える方法。次に、エンディングノートなどの書面に記録として残す方法。そして、葬儀の専門家に相談して具体的なプランを立てる方法です。特に、家族との直接対話は、お互いの思いを共有し、理解を深める貴重な機会となるでしょう。

それに加え、宗教や菩提寺の選定、遺影用の写真指定、会葬者への連絡方法の共有も必要です。特に遺影写真は、生前のお気に入りの一枚を選んでおくことをおすすめします。信頼できる葬儀社を見つけることも、家族の安心につながる大切な準備です。

葬儀についてが、可能な限りご自身で決めておくと、ご家族の負担が軽くなります。「ここまでは決めてあるからね」と言われると、周囲の方もずいぶん気が楽になるはずです。

5. 介護施設の選定

将来の介護に備え、どのような施設があるのかを把握しておくと、いざというときにゆとりを持って対応しやすいですね。

介護施設を選ぶ際には、まず「どのような生活を送りたいか」という希望を明確にすることが大切です。医療的なケアを重視するのか、それとも自分らしい自立した生活を大切にしたいのか。また、入居時期についても、お元気なうちから入居する選択肢と、介護が必要になってからの入居を考える選択肢があります。経済面も含めて、ご自身の状況に合った計画を立てていきましょう。

また、介護施設は、運営形態によって民間施設と公営施設に大別されます。民間施設には、専門スタッフが24時間常駐する介護付き有料老人ホームや、少人数での家庭的な暮らしを実現するグループホームなどがあります。公営施設では、特別養護老人ホームや介護老人保健施設が代表的で、それぞれの施設が特色ある介護サービスを提供しています。

人気のある施設は待機期間が長いこともあるため、早めの情報収集と申し込みを検討しておくと安心感ですね。

6. デジタル終活

近年、オンラインサービスの利用が当たり前となり、私たちは知らず知らずのうちに多くのデジタル資産を持つようになりました。写真や動画、SNSの記録など、これらのデジタル遺品を適切に管理し引き継ぐことは、残された家族への大切な配慮となります。故人の想いを伝え、大切な記録を残すことで、家族の心の支えにもなるのです。

デジタル終活は、まず自分のデジタル資産を洗い出すことから始まります。スマートフォンやパソコン、クラウドサービスなど、使用しているデジタルツールを一覧にまとめましょう。次に、それぞれのデータの取り扱い方針を決めます。最後に、残すべき情報やアクセス方法をエンディングノートに記録します。

デジタル遺品の扱い方をあらかじめ決めておくと、トラブルを避けられます。セキュリティに配慮しながら、確実に情報を引き継げる方法を用意しておくと心強いでしょう。

7. 遺言書の作成

遺言書は、ご自身の意思を明確に伝えるための大切な文書です。近年、相続を巡る争いは増加傾向にあり、家庭裁判所での調停に1年以上を要するケースも少なくありません。このような家族間の争いを防ぎ、スムーズな財産分与を実現するためにも、遺言書の準備が欠かせません。

特に、不動産をお持ちの方、お世話になった方への感謝の気持ちを形にしたい方、法定相続分とは異なる配分をご希望の方は、遺言書の作成を真剣にご検討ください。

遺言書には、公証役場で作成する「公正証書遺言」と、ご自身で作成する「自筆証書遺言」があります。公正証書遺言は、法的な効力が最も確実で、遺言書の紛失や偽造のリスクもありません。一方、自筆証書遺言は、手軽に作成できる反面、法定の要件を満たさないと無効になる可能性があります。

遺言書は専門家に相談しながら作成すると、後々の相続トラブルを防ぐうえでも大きな助けになるでしょう。

8. 不用品の整理と処分

私たちの周りには、長年使わずにしまい込んでいる思い出の品々が数多く存在します。これらの整理は、ご家族の遺品整理の負担を軽減するだけでなく、ご自身の人生を振り返る貴重な機会にもなります。物を手放すことで得られる心の解放感は、新しい生活への活力を与えてくれるでしょう。

整理の対象は、普段の生活で使用頻度が低下している家具や電化製品から始めるとよいでしょう。タンスの奥に眠る着なくなった衣類、古くなった書類、そして大切にしまっている思い出の品々も見直しの時期です。特に思い出の品は、その想いを大切にしながら、本当に残すべきものを選別することが大切です。

整理は決して一朝一夕にできるものではありません。体調の良い日を選んで、無理のない範囲で少しずつ進めることをおすすめします。使用頻度の低い押入れや物置から始めて、徐々に日常生活空間へと整理の範囲を広げていくといいでしょう。

9. 保険の見直し

年齢を重ねるにつれて、私たちが必要とする保障の形は大きく変わるもの。若い頃に加入した生命保険や医療保険は、現在の生活環境や健康状態にそぐわなくなっている可能性があります。

保険の見直しは、ただ単に解約して新しい保険に入るということではありません。これからの人生設計をしっかりと見据えた上で、慎重に進めていく必要があります。

医療保険を見直す際は、保障期間が一生涯続く終身型になっているか、最新の医療技術に対応できる先進医療特約が付いているかなど、細かな点まで確認することが大切です。

また、介護保険については、将来の介護リスクを現実的に考えながら、必要な保障額を見極めていきましょう。死亡保障は高齢期には不要と思われがちですが、実は相続対策の有効な手段として活用できる場合もあります。専門家に相談しながら、自分に合った保障を選んでいくことをおすすめします。

10. 心の整理と家族とのコミュニケーション

終活は決して独りよがりな準備であってはなりません。特に医療や介護に関する希望、財産の取り扱いなどの重要事項については、必ず家族と腰を据えて話し合う時間を設けましょう。「もしも」の時の医療方針や介護の在り方について、早い段階から家族と率直な対話を重ねることで、互いの想いを理解し合えるはずです。

趣味や社会活動など、新たな生きがいを見つけることで「人生はまだまだ楽しめる」と思えるはずです。ご家族への思いを素直に伝えると、お互いの関係もより深まるでしょう。

まとめ – 終活について考えよう

終活は決して暗いものではなく、ご自身やご家族が今後をより安心して過ごすための前向きな準備です。早めに始めれば、「こんな形で暮らしたい」という選択肢も広がります。

もちろん、人生は常に変化していきますから、一度決めた内容をそのままにせず、状況に応じて見直していくことが大切です。大きな変化があったときはご家族と話し合いながら、少しずつ修正していくと安心ですね。

最後に、終活を通じてご自身の人生を改めて見つめ直すと、残された時間がより豊かに感じられるでしょう。これからをどう過ごしたいかを考えながら、ゆっくりと前向きに取り組んでいただければと思います。

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