「エンディングノートを書いてみたいけれど、どこで手に入れればいいのかわからない」。そう感じている方は多いのではないでしょうか。実は、多くの市区町村でエンディングノートを無料で配布しており、わざわざ購入しなくても始められます。この記事では、市役所での入手方法・自治体別の具体例・無料ダウンロードの方法を一緒に確認してみましょう。
エンディングノートは市役所で無料でもらえるのか?
現在、多くの市区町村が独自のエンディングノートを作成し、無料で配布しています。横浜市や福岡市、立川市など全国の自治体が対応しており、特に政令指定都市では区ごとにオリジナルのノートを作っているケースもあります。一方、府中市(東京都)のように1冊350円の有料配布を行っている自治体もあるため、まずお住まいの自治体に確認してみることをお勧めします。
配布しているノートの名称はさまざまです。「わたしノート」「絆ノート」「マイエンディングノート」「大切な方への絆ノート」など、地域によって呼び名が異なりますが、内容はほぼ共通しています。
【配布している自治体の例】
・横浜市:各区でオリジナル版を作成(「わたしノート」など)
・福岡市:「マイエンディングノート」を令和7年度も配布中
・立川市(東京都):「大切な方への絆ノート」を高齢支援課で配布
・一宮市(愛知県):2024年7月から配布開始
・防府市(山口県):「私の生き方ノート」を地域包括支援センター等で配布
市役所のどの窓口に行けばよいか?
エンディングノートを取り扱っているのは、主に「高齢課」「高齢福祉課」「高齢支援課」「介護課」といった窓口です。自治体によって名称が異なりますので、市役所の総合案内で「エンディングノートをもらいたい」と一言伝えるだけで、担当窓口へ案内してもらえます。
お出かけが難しい場合は、電話で「配布しているか確認してほしい」と問い合わせると、郵送対応している自治体もあります。まずは気軽に電話してみてください。
市役所以外でもらえる場所はどこか?
市役所だけではなく、以下の場所でもエンディングノートを入手できる場合があります。
- 地域包括支援センター:多くの自治体で配布の主要窓口として機能しています
- 社会福祉協議会:福祉相談の窓口でも取り扱いがあります
- 地域ケアプラザ:横浜市など指定都市に設置されている施設
- 保健センター・健康管理センター:健診時に一緒に配布しているケースもあります
- 公民館・図書館:一部の自治体で設置しています
「市役所は遠くて行けない」という方は、地域包括支援センターに相談してみると、より身近な窓口で受け取れることがあります。地域包括支援センターの場所は、市区町村の公式サイトや代表電話で確認できます。
無料でダウンロードできる公式サイトはあるか?
法務省・司法書士会版はどこでダウンロードできるか?
市役所へ出向く時間がない方には、公的機関が無料で公開しているPDF版を利用する方法があります。法務省と日本司法書士会連合会が連携した「〜あなたに届け、わたしの想い〜エンディングノート」は、法務省公式サイトからダウンロードできます。
また、大阪法務局が作成したエンディングノート(令和6年9月改訂版)も大阪法務局公式サイトからダウンロード可能です。全国どこにお住まいの方でも使えます。
国土交通省「住まいのエンディングノート」とは?
国土交通省が提供する「住まいのエンディングノート」は、住宅・空き家・不動産の相続に特化した内容です。ご自宅の情報(賃貸・持ち家の別、ローン残高、管理会社の連絡先など)を残しておきたい方に適しています。
自治体の公式PDFはどこで見つけられるか?
お住まいの自治体がPDF版を公開しているかどうかは、市区町村の公式サイトで「エンディングノート ダウンロード」と検索するのが一番確実です。横浜市の各区や福岡市など、紙の配布と並行してPDFダウンロードに対応している自治体が増えています。
【補足】厚生労働省が公式版エンディングノートを発行しているという情報を見かけることがありますが、現時点では厚生労働省独自のエンディングノートはありません。ただし「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」と呼ばれる医療・介護の意思表示を促す取り組みを推進しており、各自治体によるノート作成を支援しています。

エンディングノートには何を書けばよいか?
書く主な項目は何か?
エンディングノートは自由な形式で書けるため、何を書いてもかまいません。多くの自治体版・市販版に共通して含まれている項目は以下の4つです。
| カテゴリ | 書く内容の例 |
|---|---|
| 自分のこと | 氏名・生年月日・家族関係・自分史・大切な思い出 |
| 財産・資産のこと | 銀行口座・保険・不動産・クレジットカード・デジタル資産 |
| 医療・介護のこと | かかりつけ医・服用中の薬・延命治療の希望・介護の希望 |
| 葬儀・後事のこと | 葬儀形式の希望・お墓・遺品整理・家族へのメッセージ |
特に「医療・介護の希望」と「家族へのメッセージ」は、遺言書には書けない内容です。ご自身の気持ちをノートに込めることで、家族の心の支えになることがあります。
遺言書とはどう違うのか?
エンディングノートには法的効力がありません。これは大切な点なので、少し詳しくお伝えします。
| 比較項目 | エンディングノート | 遺言書 |
|---|---|---|
| 法的効力 | なし(参考程度) | あり(法律文書) |
| 形式 | 自由(何に書いてもよい) | 法律で定められた形式が必要 |
| 財産相続の指定 | 法的拘束力なし | 法的拘束力あり |
| 医療・介護希望 | 記載できる | 記載できない |
| 費用 | 無料(市役所等で入手可) | 公正証書遺言は費用発生 |
「財産を誰に相続させるか」を法的に残したい場合は遺言書が必要です。エンディングノートと遺言書を両方準備することで、気持ちと法的な意思表示の両方を家族に届けることができます。

完璧に書く必要はあるのか?
エンディングノートには、「完璧に書き上げなければならない」というルールはありません。書けるところから少しずつ書いていけば大丈夫です。「難しいことは後回しにして、まず名前と緊急連絡先だけ書いてみる」——そんな小さな一歩から始めてみてください。あなたのペースで、少しずつ書き足していけばよいのです。
よくある質問
市販のものと市役所配布版、どちらがよいか?
どちらも内容は大きく変わりません。市役所配布版は無料で入手できますが、ページ数が少ないケースもあります。市販版は書き込み欄が多く、使いやすい工夫がされているものも多いです。まずは無料版で試してみて、書き足りないと感じたら市販版を購入するという方法もあります。
書き直すことはできるか?
何度でも書き直せます。法律で定められた形式がある遺言書とは異なり、エンディングノートは自由に書いて、消して、書き直すことができます。生活状況や気持ちの変化に合わせて、定期的に見直してみてください。
どこに保管すればよいか?
大切なのは、「必要なときに家族が見つけられる場所」に保管することです。引き出しや本棚など、家族が知っている場所に置いておくとよいでしょう。銀行の貸金庫のような鍵がかかる場所は、必要なときに取り出せないリスクがあります。
書き方の説明はついているか?
多くの場合、ノート内に記入方法の説明が記載されています。また、地域包括支援センターでは「エンディングノートの書き方相談」を実施しているところもあります。一人で悩まずに相談してみることをお勧めします。

まとめ:まずは市役所か地域包括支援センターに足を運んでみて
この記事のポイント
- 多くの市区町村でエンディングノートを無料配布している(窓口は「高齢課」「介護課」など)
- 市役所以外にも、地域包括支援センター・社会福祉協議会・地域ケアプラザでも入手できる
- 自治体に行けない場合は、法務省・司法書士会版または大阪法務局版PDFを無料ダウンロードできる
- エンディングノートに法的効力はない。財産の指定には別途遺言書が必要
- 完璧に書く必要はない。名前と連絡先から始めて、少しずつ書き足せばよい
エンディングノートを書くことは、「自分の想いを家族に伝えるための時間」です。まずはお住まいの市役所や地域包括支援センターに問い合わせて、ノートを一冊手に入れることからスタートしてみてください。小さな一歩が、家族への大切な贈り物になります。地域包括支援センターでは専門家への無料相談もできますので、ぜひ活用してみてください。


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