「エンディングノートを書こうと思って買ったけど、どこから書けばいいかわからなくて白紙のまま」——そんな方は少なくありません。完璧に書き切ろうとするから止まる。まず最低限の3点から始めれば、それだけで家族への大きな助けになります。
この記事では、書くべき項目を5カテゴリで整理し、書き方のコツ・市販ノートの選び方・遺言書との違いを解説します。A4の紙1枚でも始められます。
- エンディングノートに法的効力はないが、家族への情報共有ツールとして非常に有効
- 最低限書いておくべきは「財産の場所・医療の意思・連絡してほしい人のリスト」の3点
- 市販のノートでなくても、A4の紙1枚から始めてかまわない
エンディングノートとは(遺言書との違い)
エンディングノートとは、自分の死後や判断能力が低下した際に備えて、家族への希望・情報を記録しておくノートです。法的効力はないため、財産の分割方法を「確定」させる力はありません。遺産分割の意思を法的に有効な形で残したい場合は、遺言書(自筆証書遺言・公正証書遺言)が必要です。
エンディングノートと遺言書は目的が異なります。エンディングノートは「家族への情報共有と気持ちの整理」のためのもの、遺言書は「財産の行き先を法的に指定する」ためのものです。
エンディングノートに書くべき項目
①財産に関する情報(最重要)
- 預貯金口座の金融機関名・支店名・口座番号(通帳のコピーでも可)
- 不動産の場所・権利書の保管場所
- 生命保険・損害保険の種類・保険会社名・証券番号・受取人
- 有価証券・投資信託・個人年金の種類
- 借入金・ローンの状況
- 印鑑(実印・銀行印)の保管場所
②デジタル情報
- スマートフォンのロック解除コード
- パスワードマネージャーの情報(マスターパスワードまたは保管場所)
- メインで使用しているメールアドレス
- 主なサブスクリプションサービスの種類
③医療・介護の意思
- 延命治療に関する希望(積極的に望む/望まない等)
- 介護が必要になったときの希望(在宅/施設、特定の施設の希望等)
- 臓器提供の意思
- かかりつけ医・服薬中の薬
④葬儀・お墓に関する希望
- 葬儀の形式(家族葬・一般葬・直葬等)
- 参列してほしい人・知らせてほしい人のリスト
- お墓の場所・納骨の希望
- 戒名の希望の有無
⑤家族へのメッセージ(任意)
財産や手続き情報だけでなく、家族へのメッセージを残しておくと、遺族の心の支えになることがあります。書き方は自由で、感謝の言葉・思い出・願いなど、何を書いてもかまいません。
書き方のコツ
- 完璧に書こうとしない:空欄があってもOK。少しずつ書き足していく
- 定期的に更新する:年1回(誕生日・年末等)見直す習慣をつける
- 保管場所を家族に伝える:書いても場所がわからなければ意味がない
- デジタル情報は紙に書いて別保管:スマートフォンの中だけに記録しない
市販のエンディングノートの選び方
市販のエンディングノートは書店・文具店・100円ショップで購入できます。価格は数百円〜2,000円程度まで幅広くあります。選ぶポイントは「記入量」です。初めて書く方には記入欄が多すぎないシンプルなものが続けやすいでしょう。
市販品にこだわる必要はなく、A4の紙に箇条書きで書くだけでも十分な情報共有ができます。
よくある質問
Q. エンディングノートと遺言書、どちらを作ればいいですか?
目的が異なるため、理想はどちらも作成することです。まずエンディングノートで情報を整理し、財産の分割について明確な意思がある場合は遺言書を作成することをおすすめします。
Q. エンディングノートに書いた財産分割の希望は守られますか?
法的効力がないため、必ずしも守られるわけではありません。相続人全員が合意すれば希望通りに進めることはできますが、確実にしたい場合は遺言書の作成を検討してください。
Q. 親にエンディングノートを渡すにはどうすればいいですか?
プレゼントとして渡すのがスムーズです。「一緒に書いてみようよ」と自分も書くスタンスで勧めると、受け入れてもらいやすくなるケースがあります。
まとめ
- エンディングノートの最低限の3点:財産の場所・医療の意思・連絡してほしい人のリスト
- 法的効力はないため、財産分割の確定には遺言書が必要
- 完璧を目指さず、年1回更新する習慣をつけることが重要
- 保管場所を家族に伝えておくことが最大のポイント
参考資料・一次ソース
行政書士/終活カウンセラー上級/成年後見制度アドバイザー/宅地建物取引士
相続・不動産・終活分野の手続きを専門とする行政書士。おくりびとジャーナルにて制度・法律・費用に関する記事を執筆。
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