家族が亡くなった夜、病院のスタッフに「死亡診断書をお渡しします。死亡届は7日以内に提出してください」と告げられる——その言葉を、涙のなかで聞いた方も多いと思います。
悲しみのさなかに、書類の手続きが次々と迫ってくる。そのつらさは、実際に経験した方でなければわからないものがあります。ただ、この死亡診断書という書類だけは、適切に扱わないと後の相続手続き全体に影響が出るため、早めに理解しておく必要があります。
本記事では、死亡診断書の取得方法・発行費用・必要なコピー枚数を、相続手続きに使う場面とあわせて解説します。葬儀社が代行してくれることも多いですが、ご自身でも内容を把握しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
- 死亡診断書は医師が発行し、死亡届とセットで7日以内に市区町村へ提出(戸籍法第86条)
- 提出後は手元に残らないため、提出前に5〜10枚コピーを取ることが必須
- 発行費用は3,000〜10,000円程度(病院の規模による・保険適用外)
死亡診断書とは——死後手続きの出発点になる書類
死亡診断書は、医師が死亡の事実・原因・日時・場所を公的に証明する書類です。日本では、この書類なしに死亡届を提出できず、火葬許可も下りません。すべての死後手続きの出発点が、この1枚になります。
用紙はA3判の1枚で、左半分が「死亡届」(遺族が記入)、右半分が「死亡診断書」(医師が記入)となっており、切り離さずそのまま役所に提出します。
死亡診断書と死体検案書の違い
| 書類名 | 発行される状況 |
|---|---|
| 死亡診断書 | 病院での治療中・通院中に亡くなった場合(担当医師が作成) |
| 死体検案書 | 突然死・事故死・孤独死など、医師が診ていない状態での死亡 |
どちらも法的効力は同じで、死亡届提出に使用できます。ただし死体検案書は警察や解剖が絡む場合があり、発行まで数日〜数週間かかることがあります。
取得方法と発行費用——亡くなった場所別の対応
病院・クリニックで亡くなった場合
担当医師が死亡確認後に記入し、病院の医事課(患者窓口)で受け取ります。発行費用は以下が目安です。
| 医療機関の種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 大学病院・総合病院 | 5,000〜10,000円程度 |
| クリニック・診療所 | 3,000〜5,000円程度 |
いずれも保険適用外で全額自己負担です。領収書は相続税申告の際に葬儀費用として考慮される場合があるため、捨てずに保管してください。
自宅で亡くなった場合
かかりつけ医がいれば往診または来院で死亡診断書を作成してもらえます。かかりつけ医がいない場合や突然死の場合は、まず警察に連絡してください。検視の後、監察医または嘱託医が死体検案書を発行します。
自宅での突然死を発見した際、「先に葬儀社を呼んでしまった」という相談を受けることがあります。突然死の場合は警察への通報が先です。この順番を誤ると手続きが複雑になる可能性があります。
コピーは何枚必要か——提出前に準備する理由
死亡診断書の原本は、死亡届と一緒に役所へ提出した時点で手元から離れます。提出後に返却はされません。
後の相続手続きで「死亡診断書のコピー」を求められる場面は非常に多いため、提出前に必ずコピーを取ることが不可欠です。
| 手続き | 必要部数の目安 |
|---|---|
| 生命保険の死亡保険金請求 | 保険会社ごとに1〜2部 |
| 銀行・証券口座の相続手続き | 金融機関ごとに1部 |
| 厚生年金・国民年金の死亡届 | 1部 |
| 健康保険・介護保険の資格喪失届 | 1部 |
| 不動産の相続登記申請 | 1部 |
| 相続税申告 | 1部 |
| クレジットカード・サブスク解約 | 1部 |
推奨コピー枚数は最低5枚・余裕をもって10枚です。保険契約が複数ある場合や金融機関が多い場合は10枚でも足りないことがあります。後から「死亡届記載事項証明書」を申請することも可能ですが、発行できる期間・対象者に制限があります。最初に多めにコピーを取っておくことが、後の手間を大幅に減らします。
死亡届の提出方法と期限
死亡を知った日から7日以内に、以下のいずれかの市区町村役場に提出します(戸籍法第86条)。
- 死亡者の本籍地
- 届出人の所在地
- 死亡した場所
24時間受け付けている役所も多く、葬儀社が代行してくれるケースが一般的です。葬儀社に代行を依頼する場合も、コピーは自分で取ってから渡してください。
火葬許可証の発行申請(同時に申請可)/埋葬許可証の取得(火葬後に火葬場で発行)/相続手続きの開始
死亡診断書を紛失した・再発行できるか
死亡診断書の原本を紛失しても、原則として再発行はできません。これが、コピーを多めに取ることが強く推奨される理由の一つです。
提出後にコピーが必要になった場合は、死亡届を提出した市区町村に「死亡届記載事項証明書」を申請することができます。ただし発行できるのは、死亡者の直系親族や相続人など一定の関係者に限られています。
病院に連絡して医師に再作成してもらうことは制度上は不可能ではありませんが、対応は病院によって異なり、費用も再度かかります。紛失リスクを避けるためにも、提出前のコピー取得が最善策です。
よくある質問(FAQ)
Q. 死亡診断書は誰でも取得できますか?
通常は亡くなった方の遺族(配偶者・子など)が病院で受け取ります。第三者が取得する場合は委任状が必要になるケースがほとんどです。
Q. 海外で亡くなった場合はどうなりますか?
死亡を知った日から3ヶ月以内に、在外日本公館または帰国後に本籍地の市区町村へ届け出が必要です。現地の死亡証明書を日本語に翻訳して添付します。
Q. コピーはどこで取ればいいですか?
病院内のコピー機またはコンビニのコピー機で取得できます。葬儀社に渡す前に必ず取ってください。
Q. 葬儀社に代行を頼むと追加費用はかかりますか?
多くの場合、葬儀パッケージに死亡届提出代行が含まれており、追加費用は発生しないことが多いです。念のため葬儀社に確認してください。
Q. 7日以内に提出できなかったらどうなりますか?
正当な理由なく期限を過ぎると、過料(5万円以下)の対象になる可能性があります(戸籍法第135条)。やむを得ない事情がある場合は、市区町村窓口に早めに相談してください。
自分でできること・専門家に頼む場面
自分でできること
- 病院の医事課で死亡診断書を受け取る
- 提出前にコピーを5〜10枚取る
- 死亡届の左半分(遺族記入欄)を記入し、役所へ提出
専門家に頼む場面
| 状況 | 相談先 |
|---|---|
| 突然死・孤独死での手続き相談 | 行政書士・葬儀社 |
| 死亡届提出の代行 | 葬儀社(多くは無料) |
| 相続手続き全般 | 行政書士・司法書士 |
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Q:死亡診断書は何枚必要ですか?
一般的に10〜15枚程度を用意しておくと安心です。主な使用先は①死亡届(市区町村)②相続手続き(金融機関・法務局)③生命保険・損害保険の請求④公的年金・各種給付の手続き⑤勤務先への提出——などです。原本は市区町村に提出すると返却されません。コピーで代替できる手続きが多いため、最初に多めにコピーを取っておくことが重要です。
Q:死亡診断書を紛失した場合、再発行できますか?
死亡診断書(死体検案書)は原則として再発行できません。ただし、死亡届の記載事項証明書(市区町村が保管する死亡届のコピー)を発行してもらうことができます(手数料は自治体によって異なります)。また、火葬許可証の控えなどで代替できる手続きもあります。大切な書類のため、最初にコピーを多めに取っておくことを強くおすすめします。
まとめ——コピーさえ取れば、後の手続きは動き出せる
家族を亡くした直後は、誰でも頭が働きません。それでも手続きは待ってくれない。だからこそ、最低限この1点だけ覚えておいてください。
これだけで、その後の相続手続きの大半がスムーズに進みます。
- 死亡診断書は医師が発行し、7日以内に死亡届とともに役所へ提出
- 突然死の場合は警察への連絡が先
- 発行費用は3,000〜10,000円(保険適用外)
- 提出前に5〜10枚コピーを取る(原本の再発行は原則不可)
- 葬儀社への代行依頼が可能
手続きのことで不安があれば、葬儀社または行政書士にご相談ください。一人で抱え込まなくて大丈夫です。
参考資料・一次ソース
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