準確定申告のやり方【4ヶ月以内の期限・申告書の書き方・不要なケースを解説】

親が亡くなった直後は、葬儀・各機関への死亡届・相続の手続きと、やるべきことが一気に押し寄せます。その中で見落とされやすいのが「準確定申告」です。期限は死亡日の翌日から4ヶ月以内——通常の確定申告(翌年3月)と違い、短期間での対応が求められます。

ただし、誰もが申告を必要とするわけではありません。「給与所得のみで年末調整済み」「公的年金400万円以下で他の所得が少ない」といった場合は申告不要です。まず「申告が必要かどうか」を確認することが、最初の重要なステップです。

本記事では、準確定申告が必要なケース・不要なケースの判定から、申告書の書き方・提出先・よくある疑問まで、行政書士が解説します。

📋 この記事でわかること
  • 準確定申告の期限は死亡日の翌日から4ヶ月以内(所得税法第124条)
  • 対象は死亡した年の1月1日から死亡日までの所得(給与・年金・不動産収入等)
  • 申告不要なケースもある。まず「申告が必要かどうか」を確認することが最初のステップ
目次

準確定申告とは

準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)の死亡した年の所得について、相続人が代わりに確定申告をおこなう手続きです(所得税法第124条・第125条)。通常の確定申告と同じく、所得税の計算・申告・納付をおこないます。

申告が必要な場合・不要な場合

申告が必要なケース

  • 給与収入が2,000万円超だった
  • 給与・年金以外の所得(不動産収入・株式売却益等)が20万円超あった
  • 2ヶ所以上から給与を受け取っていた
  • 医療費控除・ふるさと納税等の控除を受けたい場合

申告が不要なケース

  • 給与所得のみで年末調整が済んでいた
  • 公的年金収入が400万円以下かつ他の所得が20万円以下だった
  • 所得がなかった(専業主婦等)

準確定申告の手順

①申告書の準備

通常の確定申告書(第一表・第二表)に「準確定申告」と記載します。税務署の窓口またはe-Taxから書式を入手できます。

②各種書類を収集する

  • 源泉徴収票(給与・年金)
  • 医療費の領収書(医療費控除を使う場合)
  • 社会保険料・生命保険料の控除証明書
  • 不動産収入がある場合:賃料の記録・経費の領収書

③相続人全員が「準確定申告書に係る確認書」に署名

相続人が複数いる場合、全員が「準確定申告書に係る確認書」に署名します。代表者1人が申告書を提出する場合は、他の相続人の署名・捺印が必要です。

④被相続人の住所地を管轄する税務署に提出

提出先は「被相続人の死亡日時点の住所地を管轄する税務署」です。郵送・持参・e-Taxで提出できます。

還付金が発生した場合

医療費控除等の適用で税金が還付される場合は、「還付される税金に関する依頼書」を添付して相続人への振込先を指定します。

よくある質問

Q. 準確定申告を忘れると罰則がありますか?

申告義務があるにもかかわらず期限内に提出しなかった場合、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。期限内の提出を心がけてください。

Q. 年金受給者の親も対象ですか?

公的年金収入が400万円以下で他の所得が20万円以下であれば、確定申告は不要なケースが多いです。ただし、医療費控除等の還付申告をしたい場合は申告できます。

Q. 相続税申告と準確定申告は別々に必要ですか?

別々の手続きです。準確定申告は所得税の申告(4ヶ月以内)、相続税申告は相続税の申告(10ヶ月以内)で、提出先・税目・期限がすべて異なります。

相続税申告との違い:2つの申告を混同しないために

項目 準確定申告 相続税申告
税目 所得税 相続税
期限 死亡日翌日から4ヶ月以内 死亡日翌日から10ヶ月以内
申告内容 故人の当年の所得 相続財産全体
必要なケース 所得が一定額以上の場合 遺産が基礎控除額を超える場合
専門家 税理士(2〜5万円程度) 税理士(遺産額の0.5〜1%程度)

まとめ

  • 準確定申告の期限は死亡日の翌日から4ヶ月以内(所得税法第124条)
  • 給与・年金のみで年末調整済みなら申告不要なケースが多い
  • 相続人が複数いる場合は全員の確認書への署名が必要
  • 還付が発生する場合は相続人の口座を指定する

参考資料・一次ソース

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・医療的助言を行うものではありません。具体的な手続きや判断については、弁護士・行政書士・税理士等の専門家にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、法改正等により変更となる場合があります。
監修・執筆:井上剛志
行政書士/終活カウンセラー上級/成年後見制度アドバイザー/宅地建物取引士
相続・不動産・終活分野の手続きを専門とする行政書士。おくりびとジャーナルにて制度・法律・費用に関する記事を執筆。

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    この記事を書いた人

    井上剛志のアバター 井上剛志 行政書士・終活カウンセラー上級

    行政書士として相続・遺言・成年後見などの実務に従事し、終活分野の相談を多数対応。終活カウンセラー上級、成年後見制度アドバイザー、宅地建物取引士の資格を活かし、法的リスクへの備えや不動産整理まで総合的にカバーしています。親の介護と相続を経験したことから、実務知識と当事者視点をあわせた情報提供を重視。読者にとって「すぐに使える終活知識」をモットーに、わかりやすく丁寧な解説を行います。

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