「親に終活を始めてほしいけど、どうやって話を切り出せばいいか…」——そう悩む子世代は多いはずです。「縁起でもない」と嫌がる親、話題を避ける家庭、どこかで向き合わなければならないとわかっていながら先延ばしになってしまう。
この記事では、親の終活サポートを始めるきっかけの作り方、子世代が最初に確認すべき3つのこと、優先度別のやることリストを解説します。一人で抱え込まず、家族で少しずつ進めることが大切です。
- 親の終活は「財産の確認・医療の意思確認・デジタル情報の整理」の3点から始めると迷わない
- 終活を切り出すタイミングは「ちょうど70歳」「入院や手術の後」「知人の訃報の後」が自然
- エンディングノートを一緒に買いに行くのが最も自然なはじめ方のひとつ
親の終活を子世代がサポートする意義
終活とは「人生の終わりに向けた準備」ですが、実際には「今後の暮らしをより安心して続けるための準備」でもあります。子世代が早めに関与することで、認知症発症後の財産管理トラブル・相続争い・デジタル遺品の困惑を避けられます。
行政書士として多くの相続相談を受ける中で、「もっと早く話し合っておけばよかった」とおっしゃる方が非常に多いと感じています。
最初に確認したい3つのこと
①財産の種類と場所の把握
預貯金・不動産・保険・株式などの財産がどの金融機関・証券会社にあるかを把握します。通帳の保管場所、銀行の暗証番号・印鑑の所在を親に確認しておくだけで、万一の際の手続きがまったく違います。
②医療・介護の意思確認
延命治療を希望するかどうか、介護が必要になったときに在宅と施設のどちらを希望するかを、元気なうちに確認しておきます。「もしものとき」の希望を文書化(エンディングノートや尊厳死宣言書)しておくと、家族が判断に迷う場面を減らせます。
③デジタル情報の整理
スマートフォンのロック解除コード・ネットバンキングのID・サブスクリプションの種類を把握しておきます。デジタル遺品は死後に処理できないことも多く、生前の整理が大きな差を生みます。
終活を切り出すタイミングと方法
自然に話せるタイミング
- 親が70歳になったとき(節目として話しやすい)
- 親の知人・友人が亡くなったとき(自然に「うちも考えておかないと」という話になる)
- 本人が入院・手術を経験した後(リアリティが生まれる)
- お正月・法事など家族が集まった場面(自然な話題にしやすい)
切り出し方の例
- “エンディングノートって面白いらしいよ、一緒に見てみない?”(提案型)
- “もし何かあったとき、通帳どこにあるか教えといてほしいんだけど”(実務型)
- “私も自分のこと整理してみようと思って…”(自分起点型)
親の終活でやること:優先度別リスト
まず確認(今すぐできる)
- 通帳・印鑑・保険証券の保管場所の共有
- スマートフォンのロック解除コードの共有
- かかりつけ医・服薬中の薬の確認
次に取り組む(1〜2ヶ月以内)
- エンディングノートの記入(財産・連絡先・医療の希望等)
- 生命保険・年金の種類と受取人の確認
- 遺言書の必要性を検討する(行政書士・司法書士への相談)
余裕があれば(3〜6ヶ月以内)
- 家族信託・成年後見制度の活用検討(認知症対策)
- デジタル遺品の整理(パスワード管理・SNSアカウントの整理)
- 不動産の名義・固定資産税の支払い状況の確認
よくある質問
Q. 親が終活を嫌がる場合はどうすればいいですか?
「死の話をされているようで不快」と感じる方もいます。そのときは「万が一の場合に私たちが困らないように」という子世代の視点で話すと受け入れやすくなるケースがあります。いきなり全部話そうとせず、通帳の場所など小さな確認から始めることをおすすめします。
Q. 終活は何歳から始めるべきですか?
決まった年齢はありません。70代であれば健康状態が比較的良好な方が多く、意思確認・書類の整理がしやすい時期といえます。ただし、認知症は60代からも発症することがあるため、早めの準備は家族全員にとってメリットがあります。
まとめ
- まず「財産の場所・医療の意思・デジタル情報」の3点から確認を始める
- 切り出しのタイミングは節目・訃報・入院後などが自然
- エンディングノートを「一緒に書く」スタンスで進めると親も受け入れやすい
- 認知症対策(家族信託・成年後見)は元気なうちの検討が重要
参考資料・一次ソース
行政書士/終活カウンセラー上級/成年後見制度アドバイザー/宅地建物取引士
相続・不動産・終活分野の手続きを専門とする行政書士。おくりびとジャーナルにて制度・法律・費用に関する記事を執筆。
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※ 掲載情報は執筆時点のものです。具体的な手続きは専門家にご相談ください。

