「捨てると思うと、どうしても手が動かない」。遺品整理で写真や手紙、人形を前にすると、そう感じる方は少なくありません。
お焚き上げは、神社やお寺で遺品を祈りとともに供養する方法です。ゴミとして捨てるのではなく、感謝して送り出すための選択肢になります。
ただし、すべての遺品をお焚き上げに回してよいわけではありません。通帳、印鑑、契約書、保険証券、貴金属、金歯、古銭、仏具などは、先に分けておかないと後から困ることがあります。
この記事でわかること
- お焚き上げに出せるもの、出さないほうがよいもの
- 神社、お寺、郵送サービス、遺品整理業者の違い
- 費用の考え方と依頼前に確認すること
- 金歯、古銭、仏具などを燃やす前に分ける理由
- 供養、買取、保管、処分の判断順
この記事の読み進め方
| 今の悩み | この記事で確認すること | 次の判断 |
|---|---|---|
| 捨てるのがつらい | お焚き上げの意味 | 供養に向く品を分ける |
| 何を出せるか迷う | 出せるもの、出せないもの | 書類と価値品は保留する |
| 費用が不安 | 依頼先ごとの違い | 持ち込みか郵送か選ぶ |
| 後悔したくない | 供養、買取、保管の分け方 | 迷うものは写真を撮って残す |
お焚き上げとは何か
補足:お焚き上げは、遺品を「処分する」よりも、気持ちの区切りをつける意味が強い方法です。
お焚き上げは、神社やお寺で物を炎にくべ、祈りとともに供養する行為です。お守りやお札の納め方として知られていますが、遺品整理では写真、手紙、人形、衣類、小物などを送り出す方法として選ばれます。
大切なのは、燃やすことそのものではありません。残された家族が「ありがとう」と区切りをつけ、次の整理に進みやすくすることです。
お焚き上げに向いている遺品
| 種類 | 代表例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 思い出の品 | 写真、手紙、日記 | 残す分を先に選ぶ |
| 人形、ぬいぐるみ | 市松人形、こけし、ぬいぐるみ | 素材によって断られることがある |
| 衣類 | 着物、故人が大切にしていた服 | 合成素材や金具は事前確認 |
| 神仏関連 | お守り、お札、数珠、仏具 | 金属製の仏具は価値確認も検討 |
整理の時期から迷っている方へ

お焚き上げに出す前に分けるもの
注意:通帳、印鑑、保険証券、契約書、貴金属、金歯、古銭、仏具は、お焚き上げに出す前に必ず分けてください。一度出すと戻せません。
供養したい気持ちが強いと、まとめて箱に入れてしまいたくなります。しかし、遺品の中には相続手続きや解約、買取査定に関わるものがあります。
先に分けるものチェックリスト
- 通帳、キャッシュカード、印鑑
- 保険証券、契約書、不動産関係の書類
- 借入、税金、年金に関する書類
- 現金、貴金属、金歯、古銭、切手
- 仏具、おりん、時計、カメラ、骨董品
価値があるか迷うものは燃やさない。写真を撮り、家族に共有し、必要なら買取査定や専門家への相談を挟んでから判断しましょう。
相続放棄を検討している場合

お焚き上げの依頼先
依頼先は主に、神社やお寺への持ち込み、郵送サービス、遺品整理業者のオプションの3つです。
| 依頼先 | 向いている人 | 確認すること |
|---|---|---|
| 神社、お寺 | 近くに持ち込める人 | 受付品目、日程、初穂料やお布施 |
| 郵送サービス | 遠方、持ち込みが難しい人 | 箱のサイズ、返送不可条件、証明書の有無 |
| 遺品整理業者 | 整理と供養をまとめたい人 | 提携先、供養方法、追加費用 |
どの依頼先でも、受け付ける品物は同じではありません。人形はよくても金属やガラスは不可、衣類はよくても大型家具は不可など、条件が分かれます。
供養として手放したい場合
写真・手紙・人形など、捨てにくい遺品は供養サービスを使う選択肢があります。
お焚き上げの費用の考え方
お焚き上げの費用は、依頼先、箱の大きさ、品物の量、証明書の有無で変わります。固定相場として断定せず、依頼前に料金表と対象品を確認してください。
| 方法 | 費用の目安 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 神社、お寺への持ち込み | 数百円から数千円程度 | 受付日が限られることがある |
| 郵送サービス 小箱 | 3,000円から5,000円前後 | 送料込みか確認する |
| 郵送サービス 大箱 | 5,000円から15,000円前後 | 送れない品目がある |
| 遺品整理業者のオプション | 業者により異なる | 見積書に供養費が分かれているか確認する |
費用負担が心配な方へ

お焚き上げできるもの、できないもの
お焚き上げは炎を使うため、燃やせない素材、有害ガスが出る素材、危険物は受け付けてもらえないことがあります。
| 区分 | 例 | 判断 |
|---|---|---|
| 出しやすいもの | 手紙、写真、人形、小物 | 残す分を決めてから依頼 |
| 確認が必要なもの | 着物、仏具、数珠、アルバム | 素材や金属部分を確認 |
| 出さないもの | 通帳、印鑑、契約書、保険証券 | 手続きが終わるまで保管 |
| 断られやすいもの | 家電、電池、ガラス、液体、大型家具 | 自治体や専門業者で処分 |
お焚き上げの手順
持ち込みの場合
- 神社やお寺に、受付品目、日程、費用を確認する
- 遺品を袋や箱にまとめ、貴重品や書類が混ざっていないか見直す
- 受付で品物を渡し、初穂料やお布施を納める
- 必要に応じて、供養後の証明や実施時期を確認する
郵送の場合
- サービスの対象品目と返送不可条件を確認する
- 指定サイズの箱に、供養したい品だけを入れる
- 現金、貴金属、書類、電池、液体が混ざっていないか確認する
- 発送後、奉告書や証明書の有無を確認する
燃やす前に価値確認したい場合
貴金属・時計・ブランド品・カメラなどは、供養に出す前に査定だけ確認しておくと後悔を減らせます。
供養、買取、保管の分け方
迷ったときは、「気持ち」「価値」「手続き」の3つに分けると判断しやすくなります。
| 判断軸 | 該当するもの | おすすめの対応 |
|---|---|---|
| 気持ち | 写真、手紙、人形、思い出の小物 | 家族で残す分を決めて供養 |
| 価値 | 金歯、貴金属、古銭、おりん、時計 | 査定してから供養か売却を判断 |
| 手続き | 通帳、印鑑、保険証券、契約書 | 相続や解約が終わるまで保管 |
気持ちで迷うものは供養候補にしてかまいません。一方で、金銭的価値や手続きに関わるものは、供養より先に確認が必要です。
捨てる罪悪感が強いとき

よくある質問
遺品のお焚き上げとは何ですか?
神社やお寺で、遺品を祈りとともに供養する方法です。捨てることに抵抗がある写真、手紙、人形、小物などを送り出す選択肢になります。
お焚き上げに出す前に分けるものはありますか?
通帳、印鑑、保険証券、契約書、貴金属、金歯、古銭、仏具は先に分けてください。手続きや価値確認が必要になることがあります。
お焚き上げの費用はいくらですか?
神社やお寺、郵送サービス、箱の大きさで変わります。固定の相場として考えず、依頼前に料金と対象品を確認してください。
写真や人形はお焚き上げできますか?
受け付けている神社やお寺はあります。ただし素材や量によって断られることもあるため、事前確認が必要です。
遺品整理業者にお焚き上げも頼めますか?
提携する寺社や供養サービスを通じて対応する業者があります。見積もり時に、供養の方法と費用を確認しましょう。
まとめ:お焚き上げは、仕分けの後に選ぶ供養方法
お焚き上げは、遺品をゴミとして捨てることに抵抗があるとき、気持ちの区切りをつける助けになります。
ただし、先にやるべきことは仕分けです。通帳、印鑑、契約書、保険証券、貴金属、金歯、古銭、仏具は別にし、手続きや価値確認が終わってから供養に回すか判断しましょう。
迷うものは、写真を撮って保留箱に入れてください。急いで燃やすより、後悔しない順番で進めることが大切です。



