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デジタル遺言とは?【2026年最新】制度の内容・いつから使えるかを行政書士が解説

📣 速報(2026年4月3日)
民法改正案(デジタル遺言制度の新設)が本日閣議決定(国の正式な会議で法案が決定)されました。今後、国会での審議・成立を経て施行される見通しです。現時点ではデジタル遺言はまだ使えません。施行日は未定です。

「遺言書は手書きでなければならない」。この常識が、大きく変わろうとしています。

【先にお伝えする結論】
現時点(2026年4月)では、デジタル遺言(電磁的遺言書)は法律上まだ使えません。ただし、2026年4月3日に民法改正案が閣議決定され、国会での成立後に施行される見通しです。今すぐ遺言書を残したい方は、現行の自筆証書遺言・公正証書遺言を利用してください(後述)。なお、公正証書遺言のデジタル化(ウェブ会議での作成)は2025年10月1日より施行済みです。

パソコンやスマートフォンで作成した遺言書(電磁的遺言書)は、現行の民法では法的効力を持ちません。民法968条が「遺言者が全文・日付・氏名を自書し、印を押す」ことを要件としており、電磁的記録はこの「自書」要件を満たさないためです。しかし、政府はこの壁を取り払う法改正を進めており、法制審議会「民法(遺言関係)部会」が要綱を取りまとめ、2026年4月3日に民法改正案が閣議決定されました。

この記事では、デジタル遺言(電磁的遺言)制度とは何か、現行法との違い、新制度の具体的な内容、そして「いつから使えるのか」を、法制審議会の一次資料をもとに正確に解説します。終活を進めている方、すでに遺言書の準備を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

📋 この記事でわかること
  • デジタル遺言(電磁的遺言)とは何か、現行法での扱い
  • 法改正の経緯と2026年4月3日の閣議決定の意味
  • 新制度「保管証書遺言」の要件・作成方法・保管場所
  • 現行の自筆証書遺言・公正証書遺言との具体的な比較
  • 公正証書遺言のデジタル化(2025年10月施行済み)の内容
  • デジタル遺言制度のメリット・デメリット・注意点
  • 施行時期の見通し(現時点での確定情報と未確定事項の整理)
  • 今すぐできること・今すぐはできないことの整理
目次

デジタル遺言とは?現行法での位置づけ

「デジタル遺言」「電磁的遺言」とは、パソコン・スマートフォン・タブレット等の電子端末で作成・保存された遺言書のことを指します。

電磁的記録(データ形式)の遺言書は、現行の民法では法的効力がありません。民法968条は自筆証書遺言について「遺言者が全文・日付・氏名を自書し、印を押さなければならない」と定めており、パソコン入力・タイピングはこの「自書」要件を満たさないと解釈されています。現時点でデータ形式の遺言書を作成しても、相続手続きでは無効です。

ただし、誤解されやすい点として、「遺言書のデジタル化」はすでに段階的に進んでいます。2020年7月には自筆証書遺言の法務局保管制度が施行され、2025年10月には公正証書遺言のウェブ会議での作成が可能になりました(詳細は後述)。

法改正の経緯【2022〜2026年タイムライン】

デジタル遺言制度の法制化は、2022年の規制改革実施計画(閣議決定)を起点に、約4年をかけて進められてきました。

デジタル遺言制度 法改正タイムライン:2020年法務局保管制度施行→2022年規制改革閣議決定→2024年4月法制審部会発足→2025年7月中間試案→2025年10月公正証書デジタル化施行→2026年1月要綱案→2026年2月答申→2026年4月3日閣議決定
デジタル遺言制度 法改正タイムライン(法制審議会資料・政府発表をもとに作成)

2024年4月:法制審議会「民法(遺言関係)部会」の発足

2024年4月16日、法務大臣の諮問機関である法制審議会に「民法(遺言関係)部会」が設置されました。これにより、遺言制度の抜本的な見直しが正式なスタートを切りました。

2025年7月:中間試案の公表とパブリックコメント

2025年7月、法制審議会は「中間試案」を公表しました。デジタル遺言の作成方式として、複数の案(甲案・乙案・丙案)が提示され、「保管機関を法務局に限定するか否か」「口述要件の詳細」等について各界から意見を募るパブリックコメントが2025年7月〜9月27日に実施されました。日本弁護士連合会(2025年8月22日)、日本司法書士会連合会等もそれぞれ意見書を提出しています。

2026年1月〜4月:要綱案→答申→閣議決定

2026年1月20日、法制審議会民法(遺言関係)部会が要綱案を取りまとめました。同年2月12日に法制審議会総会で承認・法務大臣に答申され、日本経済新聞(2026年2月12日)は「年内にも法改正を目指す」という政府方針を報道しました。そして2026年4月3日、民法改正案が閣議決定されました。

新制度「保管証書遺言」の具体的な内容

法制審議会の要綱案・閣議決定内容(2026年4月3日時点)をもとに、新制度の具体的な要件を解説します。正式名称は「保管証書遺言」です(通称:デジタル遺言・電磁的遺言)。

①作成方法:PC・スマホで入力可

パソコンやスマートフォン等の電子端末で本文を作成できます。電磁的記録(データ)またはそのプリントアウト(印刷物)の選択が可能な見込みです。

②電子署名:マイナンバーカード活用が想定

「電子署名法第2条第1項」の電子署名が必須とされており、マイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス(JPKI)による電子署名の活用が想定されています。紙の遺言書における「押印」に相当する改ざん防止機能を電子署名で担保します。マイナンバーカードを未取得の場合は、保管証書遺言の利用に向けて事前取得が必要になる見込みです。マイナンバーカードが不要な現行の自筆証書遺言・公正証書遺言も引き続き利用できます。

③保管:法務局(遺言書保管所)に限定

保管機関は法務局(遺言書保管所)に限定されます。民間サービスや自己保管での「デジタル遺言」は認められません。法務局が本人確認のうえデータを保管します。

現在、民間企業が提供する「デジタル遺言サービス」「オンライン遺言書作成サービス」は多数存在しますが、これらは法的効力のある遺言書の作成を直接サポートするものではなく、エンディングノートの電子版や意思整理ツールとして機能するものが大半です。民法上の有効な遺言書を残したい場合は、現行法の方式(自筆証書・公正証書)または今後施行される保管証書遺言の方式に従う必要があります。

④口述:法務局の遺言書保管官の前で読み上げが必要

作成した遺言書の内容を、法務局の遺言書保管官の前で声に出して読み上げる(口述)ことが要件とされています。ウェブ会議(ビデオ通話)での実施も認められる見込みです。口述が困難な場合は、通訳人を介するか、手書きでの代替が認められます。

⑤検認:不要

現行の自筆証書遺言(法務局保管制度を利用しない場合)では、家庭裁判所での「検認」手続きが必要ですが、保管証書遺言は検認不要です。現行の法務局保管制度(2020年施行)と同様の扱いとなります。

⑥既存制度への変更:押印要件の廃止

保管証書遺言の新設に伴い、自筆証書遺言・秘密証書遺言等から「押印」要件が廃止される予定です。ただし自筆証書遺言の「全文自書」要件は引き続き維持されます。

現行3形式との比較表

現行の遺言書の3形式(自筆証書・公正証書・秘密証書)と、新設予定の保管証書遺言を比較します。

項目自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言保管証書遺言(新設)
作成方法全文手書き必須公証人が口述を筆記本文は活字可・署名は手書きPC・スマホ入力可
電子署名不要(押印)不要(押印)不要(押印)必須
証人不要2名以上必須2名以上必須不要の見込み
公証人関与不要必須必須不要(法務局保管官)
保管自己保管 or 法務局公証役場保管自己保管法務局のみ
検認必要(法務局保管は不要)不要必要不要
費用(目安)低コスト(法務局保管3,900円)数万円〜公証役場手数料あり法務局手数料(未定。現行の自筆証書遺言保管申請3,900円と同程度の見込みだが、法改正成立後に確定)
押印必要(改正後廃止予定)必要必要(改正後廃止予定)不要(電子署名で代替)

※保管証書遺言の「証人の要否」「費用」については、法改正成立後の省令・規則等で詳細が定まる予定のため、現時点では一部未確定です。

公正証書遺言のデジタル化(2025年10月施行済み)

デジタル遺言の話題になると見落とされがちですが、公正証書遺言については、すでに2025年10月1日からデジタル化が施行されています

「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和5年法律第53号)に基づき、公正証書遺言の作成手続きが以下のとおり変わりました。

  • Web会議(遠隔)による作成が可能に。公証役場に出向かなくても、指定公証人のいる公証役場とのビデオ通話で公正証書遺言を作成できるようになりました
  • 電子署名・電子データ原本の保管が可能に。電子化された遺言書のPDFデータを公証役場で保管・電子交付が可能になりました
  • 証人2名以上の立会いは引き続き必須。証人はオンライン(別回線)での参加が可能ですが、省略することはできません
  • 対応は指定公証人のいる公証役場に限定。全国の公証役場が一斉に対応しているわけではありません。事前に公証役場への確認が必要です

「今すぐデジタル的な方法で公正証書遺言を残したい」という場合は、この制度が現時点で活用できます。対応する公証役場は日本公証人連合会の案内ページ(2025年9月8日)から確認してください。

デジタル遺言(保管証書遺言)のメリットと懸念点

メリット

  • 手書きが困難な方でも作成できる。高齢・疾患等で手書きが難しい方にとって、タイピングによる遺言作成は大きな意義があります
  • 文字の判読問題が解消される。自筆証書遺言では文字が読めない・財産目録の誤記が相続紛争の原因になることがあります。タイピングによる明確な文書はその懸念を軽減します
  • 費用が公正証書遺言より低コストの見込み。法務局への手数料のみで済む可能性があり、公証役場の費用(数万円〜)より低コストで法的効力のある遺言書が作成できます
  • 検認不要で相続手続きが簡素化。家庭裁判所への検認申立てが不要なため、相続開始後の手続きの負担が軽減されます

懸念点と注意事項

  • 電子署名の取得・使用にハードルがある。マイナンバーカードと対応する読み取り機器・アプリが必要です。高齢者にとって電子署名の操作が難しい場合があります
  • 法務局への出向が必要(口述要件)。ウェブ会議での対応も想定されていますが、法務局の遺言書保管官の前での口述が必要なため、完全なオンライン完結にはなりません
  • 保管場所が法務局に限定される。現行の自筆証書遺言書保管制度と同様、申請者が死亡した後、相続人が閲覧・取得できる仕組みが整備されることになりますが、詳細は省令等で定められます
  • 制度の詳細は成立・施行後に確定。法改正案は閣議決定されましたが、国会での審議を経て成立後、省令・規則によって細則が定まります。現時点で確定していない要件があります

デジタル遺言の全体準備を支援する一冊

遺言書の種類・書き方・終活の全体像をわかりやすく解説した入門書です。現行制度の理解と生前整理の実践的な準備に役立ちます。

現行の自筆証書遺言書保管制度(2020年施行)との関係

混同されやすい制度として、すでに施行済みの「法務局における自筆証書遺言書保管制度」があります。2020年7月10日に施行されたこの制度は、あくまで手書きで作成した自筆証書遺言を法務局が保管する仕組みです。

項目現行:法務局保管制度(2020年施行済み)新設:保管証書遺言(施行予定)
遺言の作成方法全文手書き必須(変更なし)PC・スマホ入力可
法務局の役割外形確認・保管のみ(内容の法的チェックなし)本人確認・口述確認・保管
検認不要不要
費用保管申請3,900円未定(法改正後に省令で規定)
申請方法本人のみ・郵送不可同様(または一部リモート可)

現行の法務局保管制度は手書きの遺言書向けの制度であり、デジタル遺言(保管証書遺言)とは別の制度です。改正後も両制度が並立する見込みです。

「いつから使えるか」施行時期について

デジタル遺言制度の施行時期について、現時点で確定している情報と未確定の情報を正確に区別してお伝えします。

  • 確定事実:民法改正案が2026年4月3日に閣議決定された
  • 確定事実:政府は「2026年内の法改正を目指す」と表明している(日本経済新聞 2026年2月12日
  • 確定事実:民法改正案は2026年4月3日に国会提出済み(法務省)。今国会での成立を目指している
  • 未確定:施行日(法改正成立後に政令等で定められる)
  • 未確定:「2027年施行」「2028年施行」等の報道は現時点での確定情報ではなく、見通しにすぎない

インターネット上には「デジタル遺言は2027年から使える」「2028年施行」といった記述が見られますが、これらは確定情報ではありません。正確な施行日については、法務省の公式発表をご確認ください。

今すぐできること・今すぐはできないこと

デジタル遺言制度の施行を待ちつつ、今からできる準備をまとめます。

  1. 現行制度で遺言書を準備する。「デジタル遺言が使えるまで待つ」のではなく、現行の自筆証書遺言(法務局保管)または公正証書遺言で先に準備することを推奨します。施行後に保管証書遺言に切り替えることも可能です
  2. マイナンバーカードを取得・更新する。保管証書遺言の電子署名にはマイナンバーカードの活用が想定されています。未取得の場合は早めに取得し、有効期限の管理を行ってください
  3. エンディングノートに相続の意思を書き留める。法的効力はないものの、家族への意思伝達としてエンディングノートを活用することは有効です。制度施行後に正式な遺言書にまとめる際の下書きにもなります
  4. 法務省・法制審議会の情報を定期確認する。施行日など正式な情報は法務省「民法等の一部を改正する法律案」ページに掲載されます

よくある質問

デジタル遺言とは何ですか?

パソコンやスマートフォン等の電子端末で作成・保存された遺言書のことです。現行の民法では電磁的記録の遺言書は法的効力を持ちませんが、2026年4月3日に閣議決定された民法改正案により「保管証書遺言」として法制化される見通しです。

デジタル遺言はいつから使えますか?

民法改正案は2026年4月3日に閣議決定・国会提出済みです。今国会での成立を目指していますが、施行日は法改正成立後に政令等で定まるため現時点では未確定です(「法改正成立」と「施行」は別のステップです)。

現在のデジタル遺言は無効ですか?

はい。現行の民法では、パソコン入力等の電磁的記録による遺言書は民法968条の「自書」要件を満たさず、法的効力がありません。保管証書遺言制度の施行前に電子的に作成した遺言書は、現行法では無効です。

自筆証書遺言は引き続き使えますか?

はい。自筆証書遺言は今後も有効です。ただし、民法改正案では自筆証書遺言の「押印」要件が廃止される予定です(全文自書の要件は維持)。改正成立後も自筆証書・公正証書・保管証書の各方式が並立します。

公正証書遺言はすでにデジタルで作れますか?

はい。2025年10月1日施行の法改正により、指定公証人がいる公証役場との間でウェブ会議(ビデオ通話)を使った公正証書遺言の作成が可能になりました。ただし証人2名以上の立会いは引き続き必要です。

新制度で遺言書を作るには何が必要ですか?

要綱案によると、①電子署名(マイナンバーカード等)、②法務局での口述(ウェブ会議も可)、③法務局への保管申請が必要とされています。詳細は法改正成立後の省令等で定められます。

民間の「デジタル遺言サービス」は法的効力がありますか?

現時点では法的効力はありません。民間サービスはエンディングノートの電子版や意思整理ツールとして機能するものが大半で、民法上の有効な遺言書とは異なります。法的効力のある遺言書は、現行法の方式(自筆証書・公正証書)または保管証書遺言の施行後に同制度を利用する必要があります。

押印のない自筆証書遺言は有効になりますか?

民法改正案(閣議決定済み・未成立)では押印要件の廃止が盛り込まれています。ただし現時点では押印は引き続き必要です。改正が成立・施行されるまでは、自筆証書遺言には押印が必要なため、現行の方式で作成してください。

まとめ

  • 現行法では電磁的記録の遺言書は無効(民法968条の自書要件を満たさない)
  • 2026年4月3日、民法改正案が閣議決定。新制度「保管証書遺言」の創設が盛り込まれた
  • 施行日は未定。「2027年」「2028年施行」は確定情報ではない。法務省の公式発表を確認
  • 公正証書遺言のデジタル化は2025年10月1日から施行済み。証人2名は引き続き必要だがウェブ会議での作成が可能
  • 今から準備するなら現行制度(自筆証書・公正証書)を活用する。施行後に保管証書遺言へ切り替え可能
  • 民間の「デジタル遺言サービス」は現時点で法的効力なし。エンディングノートとして活用するのは有効

デジタル遺言制度の施行を待っている間にも、家族構成や財産状況は変わっていきます。現行の自筆証書遺言(法務局保管・3,900円)または公正証書遺言で今すぐ準備し、施行後に保管証書遺言へ切り替えるという選択が現実的です。個別のご相談は行政書士・司法書士にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

井上剛志のアバター 井上剛志 行政書士・終活カウンセラー上級

行政書士として相続・遺言・成年後見などの実務に従事し、終活分野の相談を多数対応。終活カウンセラー上級、成年後見制度アドバイザー、宅地建物取引士の資格を活かし、法的リスクへの備えや不動産整理まで総合的にカバーしています。親の介護と相続を経験したことから、実務知識と当事者視点をあわせた情報提供を重視。読者にとって「すぐに使える終活知識」をモットーに、わかりやすく丁寧な解説を行います。

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