「特養とグループホームは何が違うの?」「有料老人ホームとサ高住はどちらがいいの?」——介護施設を検討し始めると、似たような名前の施設が多くて混乱する方がほとんどです。それぞれの施設は対象者・費用・提供されるサービスが大きく異なるため、「特養に申し込んだが要介護度が足りなかった」「施設を選んだが要介護度が上がって退去になった」といったケースを防ぐには、事前の整理が重要です。
介護施設は大きく「公的施設(特養・老健)」と「民間施設(有料老人ホーム・グループホーム・サ高住等)」に分かれます。公的施設は費用が低い反面、入居条件が厳しく待機期間が長い。民間施設は早く入れる反面、費用が高い——この基本構造を押さえた上で、個別の施設の特徴を確認していきます。
本記事では、主要な介護施設7種類の特徴・費用・入居条件を一覧で比較し、施設選びの判断軸を整理します。
- 介護施設は「公的施設(特養・老健)」と「民間施設(有料老人ホーム・グループホーム等)」に大別できる
- 特養は費用が低いが要介護3以上が条件で入居待ちが長い。民間施設は早いが費用が高い
- 認知症の程度・要介護度・本人の希望・資金の3点で施設を絞り込む
介護施設の種類と特徴
| 施設名 | 入居条件 | 月額費用 | 特徴・向き不向き |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム(特養) | 要介護3以上 | 6〜15万円 | 費用が低い・終身利用可。入居待ちが長い |
| 介護老人保健施設(老健) | 要介護1以上 | 8〜15万円 | 在宅復帰を目標にリハビリ。長期入居不可 |
| 介護医療院 | 要介護1以上(医療的ケア必要) | 10〜20万円 | 経管栄養・たん吸引など医療依存度が高い方向け |
| 介護付き有料老人ホーム | 施設によって異なる | 15〜40万円 | 介護が充実・看取り対応あり。早く入れるが費用が高め |
| 住宅型有料老人ホーム | 自立〜要介護 | 10〜30万円 | 介護は外部利用。要介護度が高まると退去の場合あり |
| グループホーム | 認知症診断あり・要支援2以上 | 15〜25万円 | 少人数(5〜9人)・家庭的な環境。認知症特化型 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 60歳以上(自立〜軽度) | 10〜25万円 | 賃貸形式・安否確認付き。重度介護には不向き |
①特別養護老人ホーム(特養)
原則として要介護3以上の方が対象の公的施設です。月額費用は6〜15万円程度と比較的低く、入居一時金は原則不要です。ただし人気が高く、数ヶ月〜数年の入居待ちが発生するケースが多いです。終身利用が基本です。
②介護老人保健施設(老健)
病院からの退院後の「リハビリ・在宅復帰」を目的とした施設です。月額費用は8〜15万円程度。長期入居(3〜6ヶ月以上)には向いておらず、在宅復帰を前提とした中間施設という位置付けです。
③介護療養型医療施設・介護医療院
医療的ケア(経管栄養・たん吸引等)が必要な方向けの施設です。2024年3月に廃止された「介護療養型医療施設」に代わり、「介護医療院」(厚生労働省)が設けられています。
④介護付き有料老人ホーム
介護サービスが施設内で完結する民間施設です。入居一時金0〜数千万円、月額費用15〜40万円程度と幅があります。要介護度が高くなっても継続して入居できる施設が多く、看取りまで対応するところも増えています。
⑤住宅型有料老人ホーム
生活支援サービス(食事・清掃等)は提供しますが、介護サービスは外部の訪問介護を利用する形式です。比較的自立した方向けで、要介護度が高まると退去が必要なケースがあります。
⑥グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
認知症と診断された方(要支援2以上)が対象の小規模施設(5〜9人)です。月額費用は15〜25万円程度。少人数での家庭的な環境が特徴で、認知症ケアに特化しています。
⑦サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
安否確認・生活相談サービスが付いた賃貸住宅です(国土交通省・厚生労働省が管轄する登録制度)。月額費用10〜25万円程度。比較的自立した方向けで、介護が必要になった際は外部サービスを利用します。
施設選びの3つの判断軸
- ①要介護度の状況:現在・今後の要介護度の見通しで入居できる施設が変わる
- ②資金面:月額費用・入居一時金の総額を老後資金と照らし合わせる
- ③本人の希望:認知症対応・看取り対応・立地・部屋タイプ等の優先順位を確認する
よくある質問
Q. 要介護1・2の場合、特養には入れませんか?
原則として要介護3以上が条件です。ただし、「やむを得ない事由がある場合」として例外的に入居できるケースがあります(老人福祉法の特例規定)。
Q. 施設を途中で変えることはできますか?
可能です。施設の契約は原則として本人・家族が解約できます。ただし、入居一時金の返還条件(初期償却・月次償却)を事前に確認しておくことが重要です。
まとめ
- 特養(要介護3以上・低費用・長待ち)vs 有料老人ホーム(早く入れる・費用高め)
- グループホームは認知症ケアに特化した少人数施設
- サ高住は自立度が高い方向け。要介護度が高まると退去が必要なケースがある
- 施設選びは「要介護度・資金・本人の希望」の3軸で絞り込む
参考資料・一次ソース
行政書士/終活カウンセラー上級/成年後見制度アドバイザー/宅地建物取引士
相続・不動産・終活分野の手続きを専門とする行政書士。おくりびとジャーナルにて制度・法律・費用に関する記事を執筆。
あなたにあった終活の始め方を見つける
2問選ぶだけで、最初の一歩がわかります
※ 掲載情報は執筆時点のものです。具体的な手続きは専門家にご相談ください。


