相続放棄を自分でやる方法【手順・必要書類・費用を行政書士が解説】

📋 この記事でわかること
  • 相続放棄は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要がある
  • 自分で手続きする費用は収入印紙800円+郵便切手代のみ。弁護士依頼は3〜5万円程度
  • 負債が不明な場合は3ヶ月の期限内に家庭裁判所に延長申立ができる

「親が亡くなり、思ったより借金が多かった。相続放棄できるか確認したい」——そう思って調べ始めた方には、まずこの一点を伝えます。相続放棄の期限は相続開始を知った日から3ヶ月以内です(民法第915条)。この期限を過ぎると、原則として借金も含めて相続したとみなされます。

相続放棄の手続き費用は、自分でやれば収入印紙800円と郵便切手代のみです。弁護士・司法書士に依頼すると3〜5万円程度かかりますが、書類が揃っていれば自分で対応できます。

本記事では、相続放棄を自分で手続きする5ステップの方法・必要書類・費用・よくある失敗を行政書士の視点から解説します。急いでいる方はSTEP1から確認してください。※2026年3月時点の情報です。


目次

相続放棄の基本知識

相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産・負債の一切を相続しないことを法的に申告する手続きです。相続放棄をすると、プラスの財産(預貯金・不動産等)もマイナスの財産(借金・保証債務等)も引き継がなくなります。

3ヶ月の期限に注意

相続放棄の申述期限は「相続開始を知った日から3ヶ月以内」です(民法第915条)。この期限を過ぎると原則として相続を承認したとみなされ、借金も含めて相続することになります。


相続放棄を自分でやる手順

STEP1:申述先の家庭裁判所を確認する

相続放棄の申述先は「被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所」です。裁判所の公式サイトで管轄の家庭裁判所を検索できます。

STEP2:必要書類を収集する

  • 相続放棄申述書(裁判所のウェブサイトからダウンロード可能)
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍附票
  • 申述人(相続放棄する人)の戸籍謄本
  • 被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)
  • 収入印紙800円(相続人1人あたり)
  • 連絡用郵便切手(家庭裁判所により金額が異なる)

続柄によっては追加書類が必要です。父母・祖父母・兄弟姉妹が申述する場合は、相続順位を証明する追加の戸籍謄本が必要になります。

STEP3:申述書を記入する

裁判所のウェブサイトで「相続放棄申述書(成人)」の書式と記載例を確認できます。申述人の氏名・住所・被相続人との続柄・放棄する理由(借金がある等)を記載します。

STEP4:家庭裁判所に提出する

書類を揃えて管轄の家庭裁判所に持参または郵送で提出します。提出後、裁判所から照会書が送付されることがあり、回答を返送する必要があります。

STEP5:相続放棄申述受理通知書を受け取る

申述が受理されると「相続放棄申述受理通知書」が届きます。債権者に相続放棄を証明する際は「相続放棄申述受理証明書」を別途申請して取得します(1通あたり150円)。


費用の目安

手続き方法費用目安
自分で手続き収入印紙800円+郵便切手代(1,000〜2,000円程度)
弁護士に依頼3〜5万円程度(相続人1人の場合)
司法書士に依頼2〜4万円程度

よくある失敗と注意点

期限の3ヶ月を過ぎてしまった

財産調査に時間がかかり3ヶ月以内に判断できない場合は、家庭裁判所に「期間伸長の申立て」ができます。申立てが認められると3ヶ月の期限を延長できます。借金の有無が不明な場合は早めに申立てを検討してください。

相続財産を処分してしまった

相続財産の一部でも処分・使用すると「法定単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなります。親の通帳から生活費を引き出す・遺産を売却するといった行為は要注意です。


よくある質問(FAQ)

Q:相続放棄は郵送でもできますか?

できます。必要書類を揃えて管轄の家庭裁判所に郵送で申述できます。遠方の場合は郵送申述が一般的です。

Q:相続放棄すると他の相続人に影響しますか?

あります。先順位の相続人全員が相続放棄すると、次順位の相続人に相続権が移ります。兄弟姉妹が放棄すると甥・姪に移ることがあるため、事前に親族間で連絡を取り合うことをおすすめします。

Q:借金があるかどうかわからない場合はどうしますか?

信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)に照会することで借入状況を確認できます。3ヶ月の期限内に確認できない場合は、期間伸長の申立てを家庭裁判所に提出してください。


まとめ

相続放棄を自分でやる場合の費用は収入印紙800円と郵便切手のみで、数千円で手続きを完了できます。

  • 期限は相続開始を知った日から3ヶ月以内(民法第915条)
  • 申述先は被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
  • 財産の処分・使用後は相続放棄できなくなる
  • 借金が不明な場合は期間伸長の申立てを活用する
  • 相続放棄すると次順位の相続人に権利が移る

▶ 関連記事:相続手続きチェックリスト【期限順・全44項目】


参考資料・一次ソース

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・医療的助言を行うものではありません。具体的な手続きや判断については、弁護士・行政書士・医師などの専門家にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、法改正などにより変更となる場合があります。

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行政書士/終活カウンセラー上級/成年後見制度アドバイザー/宅地建物取引士
相続・不動産・終活分野の手続きを専門とする行政書士。おくりびとジャーナルにて制度・法律・費用に関する記事を執筆。

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    この記事を書いた人

    井上剛志のアバター 井上剛志 行政書士・終活カウンセラー上級

    行政書士として相続・遺言・成年後見などの実務に従事し、終活分野の相談を多数対応。終活カウンセラー上級、成年後見制度アドバイザー、宅地建物取引士の資格を活かし、法的リスクへの備えや不動産整理まで総合的にカバーしています。親の介護と相続を経験したことから、実務知識と当事者視点をあわせた情報提供を重視。読者にとって「すぐに使える終活知識」をモットーに、わかりやすく丁寧な解説を行います。

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