介護保険の申請方法と手続きの流れ【要介護認定・サービス利用開始まで解説】

「親が最近ふらついている」「物忘れが増えてきた」——そんな変化に気づいたとき、介護保険を使うための第一歩が「要介護認定の申請」です。しかし多くの方が「どこに行けばいいのか」「何を準備すればいいのか」がわからずに申請が遅れています。

本記事では、介護保険の申請方法・認定調査の内容・結果が出るまでの流れを、市区町村の窓口に行く前に知っておきたいことも含めて解説します。

📌 この記事が役立つ方
  • 親の物忘れ・体力低下が気になり始めた子世代
  • 介護保険の申請方法がわからない方
  • 要介護認定を受けてどんなサービスが使えるか知りたい方
📋 この記事でわかること
  • 申請は市区町村の介護保険担当窓口へ。ケアマネジャーや地域包括支援センターが代行可
  • 認定結果は申請から原則30日以内。サービスは申請日に遡って利用可能
  • 認定後はケアマネジャーを選び、ケアプランを作成してサービスが始まる
目次

介護保険とは

介護保険は40歳以上の全国民が加入する社会保険で、介護が必要になったときの費用を社会全体で支え合う制度です。65歳以上(第1号被保険者)は原因を問わず利用でき、40〜64歳(第2号被保険者)は特定疾病(16種類)が原因の場合に限り利用できます。

ℹ️ 自己負担割合について
介護保険サービスの自己負担は原則1割です。ただし2015年以降、現役並みの所得のある方は2割または3割負担になります。利用限度額を超えた分は全額自己負担になります。

申請の手順(5ステップ)

申請から実際にサービスを利用できるまで、大まかに5つのステップがあります。全体の流れを把握してから動くと、手続きがスムーズです。

STEP1:申請(市区町村の窓口へ)

住所地の市区町村の介護保険担当窓口(高齢者福祉課・介護保険課など)に申請書を提出します。本人・家族・地域包括支援センターの職員・ケアマネジャーが代行申請することもできます。

申請に必要なもの

  • 介護保険要介護・要支援認定申請書(窓口で記入/書式は市区町村HPからダウンロード可)
  • 介護保険被保険者証(65歳になると市区町村から自動送付)
  • 主治医の氏名・医療機関名・受診日(申請書に記入)
  • 申請者の本人確認書類
✅ ポイント
「介護保険証がない」「どこに行けばいいかわからない」という場合は、地域包括支援センターに電話するのが最も簡単です。申請の相談から書類の案内まで無料でサポートしてもらえます。全市区町村に設置されています。

STEP2:認定調査(自宅を訪問)

申請後、市区町村の調査員(または委託を受けたケアマネジャー等)が自宅を訪問します。74項目の基本調査と特記事項の聴き取りを行います。所要時間は1〜1.5時間程度で、本人・家族両方への確認が行われます。

⚠️ 注意
調査当日は「いつもより元気に振る舞いたい」という気持ちになりがちですが、日常の状態をありのまま伝えることが大切です。実際より軽く見られると要介護度が低く認定され、必要なサービスが使えなくなる場合があります。

STEP3:主治医意見書の収集

市区町村が申請書に記載された主治医に依頼し、心身の状態・診断名・生活機能の低下の程度などを記載した意見書を作成してもらいます。本人が主治医を受診して作成依頼するケースもあります。

STEP4:介護認定審査会の判定

コンピュータによる一次判定の結果と主治医意見書をもとに、医師・看護師・介護福祉士などの専門家で構成される「介護認定審査会」が二次判定を行います。

STEP5:認定通知・サービス開始

申請から原則30日以内に認定結果通知書と新しい介護保険被保険者証が届きます。認定結果は「要支援1〜2」「要介護1〜5」「非該当(自立)」のいずれかです。サービスは申請日に遡って利用できます。

要介護度別のサービス限度額

  • 要支援1:月約5.0万円
  • 要支援2:月約10.5万円
  • 要介護1:月約16.7万円
  • 要介護2:月約19.7万円
  • 要介護3:月約27.0万円
  • 要介護4:月約30.9万円
  • 要介護5:月約36.2万円(2024年度・自己負担1割の場合の限度額)
ℹ️ 限度額を超えると全額自己負担に
上記限度額内のサービスは1〜3割の自己負担で利用できますが、限度額を超えた分は全額自己負担です。例えば要介護1で限度額16.7万円のサービスを使った場合、自己負担は1割なら約1.7万円です。

認定後の流れ:ケアプランの作成

要介護1〜5の認定を受けたら、居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)を選ぶ必要があります。ケアマネジャーが心身の状態・希望をヒアリングし、ケアプランを作成します。ケアプランの作成費用は介護保険から全額支給(自己負担ゼロ)です。

よくある質問(FAQ)

Q. 申請してから認定が出るまでサービスは使えませんか?
A. 申請日に遡ってサービスを利用できます。認定結果が出る前でも「暫定ケアプラン」を作成してサービスを先行利用することが可能です。ただし非該当になった場合は全額自己負担になる点に注意してください。
Q. 認定結果に不服がある場合はどうすればよいですか?
A. 認定通知を受けた日から60日以内に、都道府県の「介護保険審査会」に審査請求することができます。主治医意見書の内容が実態と異なると感じる場合は再調査も申請できます。
Q. 離れて暮らす親の申請を子が代行できますか?
A. できます。家族は代理人として申請書を提出できます。また地域包括支援センターやケアマネジャーへの相談も遠方からの電話・メールで行えるケースが増えています。

自分でできること・専門家に頼む場面

✅ 自分でできること
  • 地域包括支援センターへの電話相談
  • 市区町村窓口への申請書の提出
  • 認定調査の日常状態の事前記録
👨‍💼 専門家に頼む場面
  • ケアマネジャーへのケアプラン作成依頼(自己負担ゼロ)
  • 医療・介護サービス事業者の選定サポート(地域包括支援センター)

費用の目安

項目 費用目安
要介護認定の申請無料
ケアプラン作成介護保険から全額支給(自己負担ゼロ)
介護サービスの自己負担1〜3割(要介護度・所得による)

今すぐできる3つのアクション

  • ①「介護が必要かも」と思ったら地域包括支援センターに電話(無料)
  • ②市区町村の介護保険窓口で要介護認定を申請
  • ③認定後はケアマネジャーを選びケアプランを作成(費用ゼロ)

まとめ

介護保険の申請は「早すぎる」ということはありません。少しでも心配なことがあれば、地域包括支援センターへの相談から始めてみてください。

  • 申請は市区町村の窓口へ。地域包括支援センターや家族が代行可能
  • 認定結果は30日以内。サービスは申請日遡及で利用可
  • 認定調査では日常の状態をありのまま伝えることが重要
  • 認定後はケアマネジャーを選びケアプラン作成(費用ゼロ)

「うちの親に介護保険が必要かどうかわからない」という段階でも、地域包括支援センターに相談できます。相談は無料です。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的な判断は行政書士・弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。記載内容は2026年3月時点の情報です。
監修・執筆:井上剛志(行政書士・終活カウンセラー上級)
相続・遺言・成年後見を専門とする行政書士。終活に悩む方の相談を年間200件以上受ける。本記事は2026年3月時点の法令に基づき作成。
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この記事を書いた人

終活カウンセラー認定資格保持者の30代女性。両親の介護や相続問題を経験したことをきっかけに、終活の重要性を実感。「もっと早く知っておけばよかった」という後悔から、同じ悩みを持つ方々の力になりたいと思い、終活に関する情報を発信しています。

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