エンディングノートの書くべき項目一覧

この記事でわかること – エンディングノートに書くべき項目の全体像(カテゴリ別) – 各項目の書き方のコツ – 書かなくてよい項目の見極め方 – スムーズに始められる記入順序のおすすめ

目次

「何を書けばいいか」で止まっているなら

エンディングノートが書けない理由のほとんどは「何を書けばいいかわからない」という入口の問題です。内容が複雑なわけではなく、全体像が見えていないだけです。

1 基本情報 氏名・緊急連絡先(15〜30分) 2 医療情報 かかりつけ・服薬(15〜30分) 3 デジタル情報 SNS・サブスク(30〜60分) 4 財産情報 保管場所の記録(60分程度) 5 葬儀・お墓の希望 宗派・形式を記録(30〜60分) 6 家族へのメッセージ じっくり時間をかけて

カテゴリ別の項目一覧と各カテゴリの書き方のコツをまとめました。全部を一度に書く必要はありません。「こういう内容を書くものなんだ」という全体像を把握するだけで、最初の一歩が踏み出しやすくなります。親世代に「書いてみて」と伝える前に、子ども側がこの記事を読んで渡す、という使い方もできます。

エンディングノートとは——遺言書との違い

エンディングノートとは、自分の人生や希望・意思を家族や周囲の人に伝えるために書く記録です。法律上の効力はなく、あくまでも意思表示のためのツールです。

遺言書との主な違い

比較項目 エンディングノート 遺言書
法的効力 なし あり
書き方の制約 自由 厳格なルールあり
書き直しやすさ 何度でも自由に 要件を満たした書き直しが必要
主な用途 意思・希望の伝達 財産の分配・相続の指定

財産の相続や分配について法的に有効な形で残したい場合は、エンディングノートとは別に遺言書の作成が必要です。遺言書の作成については、司法書士や弁護士などの専門家にご相談ください。

【カテゴリ別】書くべき項目一覧

カテゴリ1:基本情報

自分自身のプロフィールと、緊急時に必要な連絡先をまとめます。

項目 内容の例
氏名・生年月日・住所 基本的な個人情報
血液型・アレルギー 医療対応時に必要
緊急連絡先 家族・親族・友人の連絡先
本籍地 戸籍取得時に必要
マイナンバー記載場所 カード保管場所のみ記載を推奨

マイナンバーや口座番号などの重要な番号は、紛失・盗難のリスクがあるため、番号そのものではなく「どこに保管しているか」を記録する方が安全です。

カテゴリ2:財産・資産に関する情報

家族が相続や手続きを進める際に必要になる情報です。

項目 内容の例
銀行口座 金融機関名・支店名・口座種別(番号は別管理推奨)
不動産 所有地・建物の場所と権利証の保管場所
有価証券・投資信託 証券会社名・口座の有無
生命保険・損害保険 保険会社名・証券番号・保管場所
年金 種類・受給状況
借入金・ローン 残高・貸主・返済状況

財産目録は「何がどこにあるか」を伝えるものです。金額の詳細よりも、家族が探し当てられるよう「保管場所」や「問い合わせ先」を中心に書くと実用的です。

カテゴリ3:医療・介護に関する希望

判断能力が低下したとき、または終末期を迎えたときに備えて、自分の希望を記録しておきます。

項目 内容の例
かかりつけ医 医療機関名・電話番号
持病・服薬情報 疾患名・薬の名前と保管場所
延命治療についての考え 望む・望まない・家族に委ねる
介護が必要になった際の希望 在宅希望・施設希望など
臓器提供の意思 提供する・しない・部位の指定

延命治療に関する記載はあくまで本人の意思表示です。法的な拘束力はなく、実際の医療判断は医師や家族が行います。詳細は医療・法律の専門家にご相談ください。

カテゴリ4:葬儀・お墓に関する希望

自分の葬儀やお墓についての希望を伝えておくことで、遺族の負担と迷いを減らすことができます。

項目 内容の例
葬儀の規模・形式 一般葬・家族葬・直葬など
宗教・宗派 宗教の有無・菩提寺の情報
喪主の希望 誰に担ってほしいか
参列してほしい人・してほしくない人 具体的な名前でもOK
お墓の希望 既存の墓・樹木葬・散骨など
遺影に使いたい写真 写真の保管場所・データのパス

カテゴリ5:デジタル資産・SNSの情報

スマートフォン・SNS・サブスクリプションなど、現代特有のカテゴリです。親世代は自分では気づきにくい項目なので、子ども側から「これも書いておいて」と伝えながら一緒に埋めるのがおすすめです。サブスクの契約が死後も引き落とされ続けるケースは実際に起きているため、特に見落とせない項目です。

項目 内容の例
スマートフォンのロック解除方法 保管場所のみ記載を推奨
SNSアカウントの扱い 削除希望・追悼アカウントへの変更希望
メールアカウント 主要なアドレスと利用目的
サブスクリプションサービス 契約中のサービス名・解約方法
デジタル遺産 電子書籍・音楽ライブラリなど

パスワードは情報漏洩リスクがあるため、パスワード管理アプリの名称と、そのアプリへのアクセス方法だけを記載するのが安全です。信頼できる家族に口頭で伝えておく方法も有効です。

カテゴリ6:家族・大切な人へのメッセージ

エンディングノートの中で、最も個人的で大切なセクションです。

項目 内容の例
家族へのメッセージ 配偶者・子供・親・兄弟への感謝や思い
友人・知人へのメッセージ お世話になった方々への言葉
自分史・思い出 大切な思い出・人生で誇りに思うこと
形見分けの希望 誰に何を残したいか

項目ごとの書き方のコツ

完璧に書こうとしない

エンディングノートは「完成させるもの」ではなく、「育てていくもの」です。空欄があっても問題ありません。書けるところから少しずつ埋めていきましょう。

日付を必ず記入する

情報は時間とともに変わります(口座の変更・引越しなど)。記入した日付を添えておくことで、情報の新鮮さが一目でわかります。

「保管場所」を具体的に書く

「通帳がある」と書くより、「〇〇銀行の通帳はリビングの引き出し左側にある」と書く方が、家族にとってはるかに助かります。

書かなくていい項目

以下の情報はエンディングノートへの記載を避けるか、慎重に扱うことをおすすめします。 – 口座番号・暗証番号などの金融情報(紛失時のリスクが高い) – 法的に有効な遺産分割の指定(遺言書が必要) – 他人の個人情報(プライバシーの問題) – 誰かへの不満や批判(遺族関係をこじらせる可能性がある)

おすすめの記入順序

すべてを一度に書こうとすると挫折しやすいです。以下の順番で少しずつ進めるのがおすすめです。所要時間はあくまで個人差のある目安です。

ステップ カテゴリ 所要時間の目安
Step 1 基本情報(氏名・緊急連絡先) 15〜30分程度
Step 2 医療情報(かかりつけ・服薬) 15〜30分程度
Step 3 デジタル情報(SNS・サブスク) 30〜60分程度
Step 4 財産情報(保管場所の記録) 60分程度
Step 5 葬儀・お墓の希望 30〜60分程度
Step 6 家族へのメッセージ 時間をかけて

Step 1〜2だけでも完成させておくと、緊急時に大きな助けになります。完璧を目指さず、まず「基本情報」と「医療情報」だけ書くことを目標にしてみてください。

FAQ

Q1. エンディングノートは何歳から書けばいいですか?

A. 書き始める年齢に決まりはありません。40代・50代から書き始める方も多いですが、30代でも書いている方はいます。健康なうちに書いておく方が、情報が正確で気持ちにも余裕があります。「早すぎる」ということはありません。

Q2. 市販のエンディングノートと自作のノート、どちらがいいですか?

A. どちらでも構いません。市販品はすでに項目が整理されていて書きやすい反面、自分に不要な項目も含まれます。自作の場合はこの記事のカテゴリ別一覧を参考に、自分に必要な項目だけを書けばOKです。デジタルで管理したい方はスプレッドシートやメモアプリを活用する方法もあります。

Q3. エンディングノートを書いたら、家族に知らせるべきですか?

A. 存在を知らせておくことは非常に重要です。どれだけ丁寧に書いても、家族が知らなければ意味をなしません。内容を全て見せる必要はありませんが、「〇〇に保管してある」という保管場所だけでも共有しておきましょう。

エンディングノートは法的な効力を持ちません。財産の相続・遺産分割は遺言書、医療・介護の意思決定はかかりつけ医や専門家とご相談ください。

監修・執筆:井上剛志
行政書士/終活カウンセラー上級/成年後見制度アドバイザー/宅地建物取引士
終活・相続・遺言の相談対応を専門とする行政書士。エンディングノートの作成支援と遺言書との違いについての相談実績多数。

参考資料

エンディングノートの記入にあたって、こちらの書籍も参考になります。

免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・医療的助言を行うものではありません。具体的な手続きや判断については、弁護士・行政書士・医師等の専門家にご相談ください。掲載情報は執筆時点のものであり、法改正等により変更となる場合があります。

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この記事を書いた人

終活カウンセラー認定資格保持者の30代女性。両親の介護や相続問題を経験したことをきっかけに、終活の重要性を実感。「もっと早く知っておけばよかった」という後悔から、同じ悩みを持つ方々の力になりたいと思い、終活に関する情報を発信しています。

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